音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、四代目三遊亭圓歌が襲名披露でみせた先代とは異なる魅力についてお届けする。
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襲名には色々と面倒が付きものだが、先代が後継指名をしていると話が早い。『中沢家の人々』でお馴染みの三代目三遊亭圓歌は生前「圓歌の名は歌之介に継がせたい」と公言し、亡くなる前年(2016年)の落語協会の納会で柳亭市馬会長に改めて「四代目圓歌は弟子の歌之介に継がせたいので頼む」と言ったという。
その遺志を受けて落語協会は昨年、三代目の一周忌のタイミングで歌之介の四代目圓歌襲名を正式決定。今年3月、晴れて襲名の運びとなった。この時期の襲名には「新元号に合わせて新しい圓歌を誕生させる」という意味もあったようだ。
襲名披露興行はまず上野鈴本演芸場(3月下)、新宿末廣亭(4月上)、浅草演芸ホール(4月中)、池袋演芸場(4月下)、国立演芸場(5月中)と都内の寄席定席5軒を廻った後、全国25か所で行なわれる。6月22日に東京・有楽町のよみうりホールで開かれた「三遊亭歌之介改メ四代目三遊亭圓歌襲名披露興行」も、その全国ツアーの一環だ。
この日の出演者は三遊亭小遊三、林家たい平、桃月庵白酒ら。落語芸術協会は6月27日より春風亭昇太が会長を務める新体制に切り替わったが、この時点では小遊三は芸協副会長兼会長代行。たい平は落語協会理事、白酒は出身が四代目と同じ鹿児島、それも隣町という縁がある。