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平成の競走馬取引 48億円から200億円まで栄枯盛衰

ホエールキャプチャとオルフェーヴルの間に生まれた牝馬は4600万円で落札

 平成元(1989)年に北海道の静内町で行なわれた日本軽種馬協会北海道市場のサラブレッド2歳(当時)8月市場で、トウショウボーイ産駒「リキサンサンの63」が、史上最高額の3億5000万円という値をつけた。競馬歴40年のライター・東田和美氏が、競走馬のセレクトセールの栄枯盛衰を振り返る。

 * * *
 昭和最後の年にオグリキャップが笠松から中央に移籍、タマモクロスとの対決もあって、空前の競馬ブーム到来かといわれていた。このセリも1億5000万円からスタートし、1000万円単位でせりあがっていったというから、近年のセレクトセールと変わらないように思えるが、4日間にわたって行なわれたセリで、1億円を超えたのはこの馬だけ。落札額が1000万円を超えたのも数えるほどしかなかった。売却率はこの年こそ50%程度だったが、一時は25%まで落ち込んでいる。

 競走馬の取引は、それまで売買実績のある生産者と馬主(あるいはその代理人)による直取引(庭先取引)が大半を占めていた。馬を持ちたければ牧場に伝手のある調教師などを介して馬を購入していた。好況期を迎えても、人脈がない新興馬主は、なかなか思うような馬を買うことができない。市場取引馬奨励賞があったり、限定のレースが組まれていたりしたが、従来の慣行はなかなか変わることがなかった。

 それでも平成元(1989)年9月号の雑誌「優駿」のグラビアページでは、3億5000万円馬の誕生を、デビュー後の活躍への期待を込めて報じている。その「優駿」のグラビアの隣のページには、「馬と遊べる自然公園」として、ノーザンホースパークがオープンしたことを伝えている。そこで10年後に始まったのがセレクトセールだ。今年のセレクトセールは売却率が90%を超え、落札総額は416頭で200億円を超えたが、第1回は230頭の上場で売却率64.78%。落札総額は48億円だった。

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