一気に猛暑となった7月下旬のある昼下がり、都心のジムの一室で、一心不乱にバットを振る巨漢がいた。ガラス張りの部屋は、ティーバッティングもできる練習スペースで、ボールが破裂するかのような打撃音に、周りも思わず振り返る。一般の利用客とはモノが違う豪快なスイングをしていたのは、清原和博氏(51)だった。
2016年2月に覚せい剤取締法違反で逮捕された清原氏。保釈後には有力スポンサーのバックアップで「焼肉店を経営する」「ラーメン店を開く」などと報じられたこともあったが、現在まで新たなビジネスを始めたという話はない。
まだ再起の道は見えないが、この日の清原氏は休むことなく30分以上も一心不乱にバットを振り続けた。
1週間後、清原氏は再び同じジムに姿を見せた。傍らにいた練習パートナーにスイングを動画撮影してもらい、2人でチェックしながら話し合う様子もあった。この日は150球以上の打ち込みを見せた清原氏。2008年の引退から実に11年ぶりのフルスイングだった。
近くを通りかかった5歳くらいの男児が「音、スゲー!」と言って思わず立ち止まると、母親が「巨人で4番だったんだよ~」と説明する場面もあった。
その後、清原氏はストレッチやマシンを使ったトレーニングに移り、およそ2時間半にわたって汗を流した。