8月1日、甲子園での中日戦でようやく、今季一軍初登板となった阪神・藤浪晋太郎(25)だが、まだまだ茨の道が続きそうだ。
数シーズンにわたって右打者相手の制球難に苦しみ“イップス”ともいわれる藤浪は、3月のオープン戦で死球を恐れた対戦チームが1番から9番まで左打者を並べる“異常事態”を引き起こし、自ら二軍行きを志願していた。
「二軍ではリリースポイントを修正するため、セットポジションから2段モーション気味に投げるなど、試行錯誤を繰り返していました」(担当記者)
ようやく掴んだ一軍復帰登板のチャンスだったが、5回途中1失点で降板。6四球、2死球と“荒れ球”は相変わらずだった。本当の戦いはこれからだ。
「球団内では、今季は藤浪を二軍のまま終わらせる構想があった。他球団からトレード話が複数持ち込まれているというのです。2017年に広島戦で相手ピッチャーの大瀬良大地(28)にぶつけてしまったトラウマが今の制球難につながっているともいわれているため、パ球団のなかには、“(投手が打席に入らない)DH制ならプレッシャーも和らぐ”と考えているところがあるようだ」(球団関係者)
二軍暮らしを続けさせ、オフにトレードの目玉とする皮算用があったというのだが、チーム事情からその筋書きは困難になった。
「メッセンジャー(37)が右肩治療のために帰国し、岩田稔(35)も巨人戦(7月28日)で3回KO。頼れる先発は西勇輝(28)だけで、藤浪を使わざるを得ない状況になってしまった。こうなると、あと何回かの一軍登板の結果が非常に重要。4か月も二軍で調整してダメとなると、他球団からのオファーもなくなりかねませんから」(同前)
結局二軍での再調整となった藤浪にとって今季の残りは、キャリアを懸けた崖っぷちの戦いとなる。
※週刊ポスト2019年8月16・23日号