ライフ

中高年向けの筋力づくり、ゴキブリ体操やゴリラ体操のやり方

体全体の脂肪代謝を促進するゴキブリ体操

 世の中が便利になって、どんどん“動かなくてもよい”生活になりつつあるが、一方で“動かないこと”による健康への悪影響も注目され始めている。それは筋力が落ちるだけでなく、ホルモン分泌や免疫力にもかかわり、内臓の病気のリスクも増大するというのだ。

 特に体力が衰え始めた中年や高齢者には、“動かないこと”によるリスクは深刻。でもいきなり本格的なトレーニングに挑むのも難しい。

 そんな中高年に向け、家の中でも気軽に体を動かし、しかも効率よく筋力アップを図れる体操を考案した、南越谷健身会クリニック院長の周東寛さんに聞いた。

「人間は動物、活発に動いてこそ健康な体を維持できる」と言う周東さん。

 年を重ねると自然に筋力は衰え、動くのが億劫になる。そして高齢者には、動かなくてもすむように、つい周囲の人が手を貸してしまう。実は、これでは健康維持とは逆行してしまうのだという。

「健康を維持する要はホルモンです。簡単に言えば、ホルモンが減ってくると体の機能が低下し、さまざまな不調が表れます。女性ホルモンが激減して起こる更年期障害が、わかりやすい例でしょう」

 ベースになるのは筋肉、骨、脂肪から分泌されるホルモン。筋肉から分泌されるマイオカインは、がん細胞抑制の働きも報告されているほか、免疫力を上げ、“若返りホルモン”とも呼ばれている。

 また骨から分泌されるオステオカルシンは、骨密度を上げ、全身の代謝をアップ。脂肪細胞、特に褐色脂肪細胞から生まれるアディポネクチンは、脂肪を燃焼させる“やせホルモン”の異名も。

「筋肉を鍛え、骨を刺激し、健康的な褐色脂肪細胞を増やすことで増えるこれらのホルモンを“基礎ホルモン”と呼んでいます。これらが増えると、内臓の動きを活発にする甲状腺ホルモン、骨を丈夫にし、認知症予防改善にも有効といわれる成長ホルモン、糖尿病を予防改善するインスリンホルモン、免疫力・体力を上げる副腎ホルモンなどが増え、結果、生き生きと健康な体になります。逆に動かずにいることで、すべての内臓は弱っていき、がんをはじめ病気のリスクが高くなるのです」

 またもう1つ重要なのが自律神経のバランスだ。

「筋肉を動かして活動することで交感神経が優位になり、体を休めてリラックスすることで副交感神経が優位になります。このバランスがメリハリよく作用することで、体がきちんと機能して体調が安定するのです。

 運動しないでいると、交感神経が充分に働かないため、スムーズに副交感神経に切り替わることもできず、不眠に陥りやすくなります」

 動かずにじっとしていることが、体にこれほど悪影響があるとは驚きだ。これは高齢者も例外ではないという。

「しかし筋肉は、何才からでも鍛えられるのです。じっとしているリスクを念頭に、まずは動きましょう」

関連記事

トピックス

フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
新年度も順調に仕事を増やし続けている森香澄
《各方面から引っ張りだこ》森香澄、“あざとかわいい”だけじゃない「実はすごいアナウンス力」、「SNSの使い方はピカイチ」
NEWSポストセブン
4月7日、天皇皇后両陛下は硫黄島へと出発された(撮影/JMPA)
雅子さま、大阪・沖縄・広島・長崎・モンゴルへのご公務で多忙な日々が続く 重大な懸念事項は、硫黄島訪問の強行日程の影響
女性セブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
SNSで出回る“セルフレジに硬貨を大量投入”動画(写真/イメージマート)
《コンビニ・イオン・スシローなどで撮影》セルフレジに“硬貨を大量投入”動画がSNSで出回る 悪ふざけなら「偽計業務妨害罪に該当する可能性がある」と弁護士が指摘 
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン