競泳の池江璃花子(19)が白血病を公表し、半年が過ぎた。日本のエースの離脱・闘病は、ライバルであり仲間だった女子競泳選手たちに大きな心境の変化を与えたようだ。スポーツライターの折山淑美氏が言う。
「池江の不在で女子400mリレーは“東京五輪出場枠すら獲得できないのでは”と危ぶまれました。しかし、それが『池江の分まで』と他の選手たちの闘志に火を付けた。その結果、7月21日の世界水泳・女子リレー400m予選では、全体5位に入って五輪出場枠を確保。池江が第一泳者だった昨年のアジア大会で樹立した日本新記録を0.35秒更新しました」
同世代の選手にとって、池江の存在はそれほど大きかった。
「中央大学4年の大本里佳(22)は、今年だけで何度も自己ベストを更新。世界水泳の400mリレー予選を引っ張った。“ポスト池江”と目される16歳の池本凪沙は、日本選手団最年少で世界水泳にメンバー入りし、800mリレーの五輪出場枠獲得に貢献しました。彼女たちは皆、池江を目標に切磋琢磨を続けてきた」(同前)
池江自身もすでに一時退院を果たすなど、病と戦いながら復帰に向けて着々と動き出している。
「同世代の選手たちとSNSで近況を報告したり、試合前にも互いに応援し合っているようです。体調の良い日には、三木二郎コーチが病室に持ち込んだバイクトレーニング機器を行なうなど、自身の復帰も見据えひたむきな努力を重ねています」(スポーツ紙記者)
池江が再び大歓声を浴びる日を、選手もファンも待ちわびている。
※週刊ポスト2019年8月16・23日号