巨人が失速している。セ・リーグ2位・DeNAと阪神に9.5ゲーム差をつけてオールスター休みに入ったが、後半戦になって5勝13敗と大苦戦。その間にDeNAが14勝4敗1分と猛追。8月2日からのDeNA戦で巨人は3連敗を喫し、ついに0.5ゲーム差まで迫られた(記録は8月5日現在。以下同)。野球担当記者が話す。
「オフにFA補強などが目立ったため、巨人はベテランの多い印象があるかもしれませんが、今季前半の躍進は若手の力も大きかった。投手陣では4年目の桜井俊貴がローテーションに、中川皓太が抑えに定着。打者陣でも若林晃弘がセカンドのポジションを奪い、大城卓三や重信慎之介もスタメンに名を連ねる機会が増えた。しかし、3日のDeNA戦でプロ初出場の捕手・岸田行倫がパスボールで決勝点を与えたように、これからプレッシャーの掛かる場面で若手がどれだけ本来の力を出せるかは未知数です」
前週の広島、DeNAとの6連戦では若武者が打てなかった。全6試合スタメンの若林は打率2割1分7厘、4試合で三塁スタメンの山本泰寛は1割6分7厘、2試合で三塁スタメンの田中俊太も1割6分7厘。25歳トリオは沈黙した。
「4番の岡本和真も勝負の6連戦で、2割5分、1本塁打、4打点と主軸の役割を果たしたとは言い難い。今までは勝っていたので、それほど打たなくてもさほど目立ちませんでしたが、負けが込んでくると4番の責任が問われる。岡本の調子が上がらない今、経験のある阿部慎之助を4番に据えるという選択肢も出てくるのではないでしょうか。ファースト・阿部、サード・岡本が貧打解消への起爆剤にもなるかもしれません。交流戦優勝の懸かったソフトバンク戦で阿部をスタメン起用したように、優勝争いが佳境に入ってくれば、阿部を使ってくる可能性は高まるはずです」
今季、阿部のスタメン時は11試合で7勝4敗。チームの勝率は6割3分6厘で、自身も36打数12安打で打率3割3分3厘と結果を残している。
「7月19日から21日、3連敗を喫した広島との3戦目、先週の広島、DeNAとの6連戦で解禁されるかと思いましたが、結局控えのままだった。原(辰徳)監督は9月を勝負と見ており、今は若手に経験を積ませているのかもしれません。しかし、0.5ゲーム差まで詰められた今、阿部のスタメンを検討する時期に来ているのではないでしょうか」
若手の調子が落ちてきたとなれば、ベテランの出番だ。DeNA、広島との争いを抜け出すため、原監督はいつ『4番・一塁 阿部慎之助』を解禁するか。