少女まんが誌「ちゃお」のファンブック『ちゃおのひみつ』が話題だ。意外なことに中高年男性にも売れているという。担当編集者が語る。
「この本は『ちゃお』の読者を対象とした書籍で、ふだん見られない「ちゃおのまんがができるまで」といった企画や、創刊以来のまんがやふろくを紹介する記事を載せた本です。当然、小学生の読者が多いと思っていました。それは間違いではなかったのですが、アンケートを見ると、意外とお父さん世代の方が買ってくれていて、しかも、とても喜んでくれていることがわかりました。
お嬢さんのために買ってくれた方が多いのですが、そればかりではありません。この本の中に、『ちゃお』の昔の表紙が載っているのですが、『タッチ』や『MIX』などで有名なあだち充先生の作品が表紙の、まるで少年誌のような『ちゃお』が載っていまして、それで『激レアだ!』と買ってくれた男性の方も多いです。当時、『ちゃお』は売れていなくて廃刊の危機にありました。そこで当時の編集長が絶大な人気を誇るあだち先生にお願いして、連載してもらった時期があるのです。そのころは、あだち先生の表紙を連発していたようです(笑)」
さらに、意外なことにBABYMETALファンの男性が購入していることも大きかったという。BABYMETALは、2010年に原型となるユニットが結成されたヘビーメタルバンドで、バンド名は「ヘビーメタル」と「べビー」を組み合わせたもの。ボーカルとダンス担当のSU-METALとスクリーム(コーラス・合いの手)を担当するMOAMETALの二人の女性で構成される。レディー・ガガの北米ツアーにも前座として同行した本格派だ。しかし、なぜ彼女たちのファンが購入するのか。前出の編集者が続ける。
「『ちゃお』には『ちゃおガール』という読者モデルのような方が登場しているのですが、現在MOAMETALとして活躍している菊地最愛さんも、かつて『ちゃおガール』に選ばれていて、小学2年生のときのオーディションの際の写真をファンブックに載せました。そのことに気づいたBABYMETALのファンの方たちの間で話題になったようです。40代、50代の男性ファンも買ってくれています。私もそんな理由で売れるとは思っていなかったので驚きました」
サラリーマン層まで取り込んで多くの年代の読者に注目されることになった本書。父娘の会話復活に一役買ってくれるかも。