6連敗していた巨人は8月7日、40歳のベテラン・阿部慎之助が約1か月ぶりにスタメン復帰。中押しとなる4号2ランを放ち、連敗から脱出した。翌日、翌々日も阿部は『5番・一塁』で出場。2試合ともヒットはなったが、チームは中日戦では引き分け、ヤクルト戦では7点差をひっくり返す逆転勝ち。これで阿部のスタメン試合は9勝4敗1分、勝率6割9分2厘となった。野球担当記者が話す。
「7日の中日戦では岡本和真も2安打を放ち、8日には先制2ラン、9日のヤクルト戦には2打席連続本塁打を放ったように、阿部が先発すると、岡本も快音を響かせる傾向がある。そのため、チームの勝率も上がるのでしょう。岡本は阿部スタメン時に13試合先発し、打率3割4厘、5本塁打、12打点。ノーヒットは1試合だけ。それ以外では2割5分1厘に下がり、先発でのノーヒット試合は29を数えます。岡本の復調には、阿部の存在も大きいのではないでしょうか」(以下同)
オールスター休み明け以降、巨人が失速した原因の1つに岡本の不調もあった。しかし、阿部のスタメン復帰3試合で岡本は3割5分7厘、3本、6打点と打ちまくっている。
「不調で今季初めて4番を外れ、代わりに阿部が座った6月5日の楽天戦でも、岡本は6番で2安打。翌日は『4番・阿部、5番・岡本』で、岡本はまたしてもマルチ安打。阿部が出ると、相手投手に掛かる重圧も増すので、岡本に対するマークもやや甘くなる。阿部のスタメンはやはり相手にとって嫌なものだと数字が証明しています。かつて20代前半の松井秀喜が3番を打っていた頃、40代の落合博満が4番でカバーしていた。あのコンビを彷彿とさせます。ベテランの助けが若手の成長を促すのでしょう」
昨年、阿部と岡本の同時先発は42試合。その条件下で、岡本は3割5分3厘、11本、31打点と猛打を奮っていた。今年に限ったことではなかった。
「問題は、これからさらに暑さの増す夏場に阿部がどこまでスタメンで出続けられるか。そして、成績を残せるかです。阿部に怖さを感じなくなれば、4番・岡本を避けて5番・阿部勝負の場面も出てくるかもしれない。阿部の神通力がいつまで持つかが、優勝争いの1つのポイントになりそうです」
40歳の阿部慎之助と23歳の岡本和真の両輪が巨人を5年ぶりのセ・リーグ優勝へ導くか。