東京五輪の開幕までいよいよ1年を切り、観戦チケットの追加販売の申し込みなども行われているが、せっかく遠方から五輪観戦に来ても宿泊するホテルがないという悲劇は十分に考えられる。早くも東京都内の主要ホテルは五輪期間中の予約が押さえられ、料金が異常に高騰しているとの情報も出ている。では、これからホテル予約をするにはどうしたらいいのか。ホテル評論家の瀧澤信秋氏がアドバイスする。
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東京五輪の大会組織委員会が大量に会期中のホテルを仮押さえしていた問題が、テレビをはじめ多くのメディアで報じられたことは記憶に新しい。じつは、五輪会期中にホテル予約ができないという問題は、このような東京での報道よりも早い時期に関西で話題になっていた。
筆者のところにも在京キー局より、いち早く関西ローカル局からの取材オファーが相次いだ。五輪ホテル不足問題が、開催地である東京よりも関西で早く話題になったのは遠隔地だけに理解できるが、当初から取材を進めていく中で組織的な事前確保の実態が明らかになった。大企業や団体といった“大口顧客”である。
ちなみに大会組織委員会の仮押さえ規模は、国際オリンピック委員会、競技団体等の関係者向けに、東京ベイゾーン・ヘリテッジゾーンを中心に約4万6000室。オリンピック招致では客室数保証も開催地の条件とされるため、客室の確保は最優先事項なのだろう。
しかし、このような状況では、一般の人たちが観戦チケットを購入できたとしてもホテル予約が一層困難になることは目に見えている。とはいえ代金は支払い済み。「チケット販売時にホテル予約が困難になる可能性を知らせてくれれば購入しなかったのに……」という声もあがっている。確かにそういった注意喚起は必要だったかもしれない。
仮押さえされているホテルは、追って手放される可能性もあるというが、その時期など明確ではない。いずれにせよ、会場周辺の高級ホテル・ビジネスホテルの競争率は相当高く、料金の高騰が予測されている。現に予約可能なホテルでは大幅な上昇が確認されており、通常1万円程度のビジネスホテルが6万円以上と6倍に跳ね上がっているという情報もある。