今年4月から大企業を中心に順次施行されている「働き方改革関連法」。それに先駆ける形で様々な取り組みをしてきた企業も少なくない。
■エフコープ生活協同組合
福岡県で食材や生活用品を宅配、店舗販売しているエフコープ生活協同組合。約3000人の職員のうち、定時スタッフと呼ばれる非正規社員の評価、賃金、福利厚生制度は正規社員と同一で労働契約は無期雇用。非正規社員も育児・介護の休職制度、自己啓発の援助などが使える。
非正規社員の勤務時間は週15時間以上35時間未満なので、1日4時間×週4日勤務でもこれだけの恩恵を得られるのだ。さらに、一定の評価基準を満たせば部門リーダーやセンター長などの役付きに昇格し、役付き手当ももらえる。正規社員への登用も可能だ
制度導入後、2006年に15%だった離職率は6%に。働きやすさが改善されたことを物語っている。
【これを導入しました】
●同一労働同一賃金制度、70才定年
●正規社員と非正規社員で原則、同じ福利厚生を受けられる
●ライフステージに応じて、正規社員と非正規社員の雇用形態を変えられる など
【現場の生声を聞きました!】
「入社2年で部門リーダーになると、時給が大幅にアップし、さらに役付き手当も。収入が増えて社会保険に加入した時は保険料が引かれることに抵抗がありましたが、働いた分だけ収入が増えるので、家計は以前よりかなり豊かに」(47才・非正規社員)
■ドトールコーヒー
ドトールコーヒーでは、従業員の資産形成を支援するために、直営店や直営工場で勤務するパートタイマーのうち、社会保険加入者を対象に“退職金制度”を設けている。会社からは月100円の掛金だが、本人の選択で給与の一部を掛金にして積み立てが可能。企業年金で運用されるため銀行に預けるよりお得だ。さらに、掛金も退職金も所得控除を受けられるメリットがある。制度加入は対象者の7割に及ぶという。
【これを導入しました】
●社会保険に加入したパートタイマーに、退職金制度(確定給付企業年金)を導入 ※諸条件あり
【現場の生声を聞きました!】
「退職金で子供の学費の目処が立ちました」(40代・パートタイマー/勤続11年)
「退職金積み立ての額を設定できるのがメリット。デメリットは退職まで手元にこないこと」(40代・パートタイマー/勤続8年半)