国内

被災地の旅館支配人、「雅子さまから温かい真心いただいた」

福島にある土湯温泉 土湯別邸 里の湯。部屋は計10室。雅子さまは純和風数寄屋造り『楓の間』に滞在された

「世紀のロイヤルウエディング」から26年。日本、世界の各地をご公務で訪れた雅子さまは、平成から令和に替わり、皇太子妃から皇后になられた。国民と共に歩み、慈しむ、そのお姿は、新たな時代が始まってから3か月経ってなお一層輝きを増している。

『旅する天皇』(小学館刊)などの著書を持つ文筆家・竹内正浩さんは、雅子さまゆかりの地として土湯温泉をあげる。

◆土湯温泉 土湯別邸 里の湯

 福島・吾妻連峰に囲まれた土湯温泉は、千数百年前から今も変わらず名湯がこんこんと湧き出る。『里の湯』はその奥座敷、渓谷の中にひっそりと佇む。両陛下が訪れたのはご成婚から4年目、プライベートな滞在だったと支配人の花井徳良さんは当時を振り返る。

 「ご滞在された3日間はお天気がよく、両陛下は近隣の仁田沼への散策を楽しまれ、群生する可憐な水芭蕉をご覧になられました」

 それから15年後の3月、東日本大震災が福島を襲った。

「東日本大震災の翌年に行われた歌会始のお題は“岸”。この時、雅子さまは、16年前に目にされた仁田沼の水芭蕉が咲き誇る情景を詠まれたんです。長い時を経て、16年も前の美しい福島を覚えていてくださった…。私たち福島県民は雅子さまから温かい真心をいただきました」(花井さん)

〈春あさき 林あゆめば 仁田沼の 岸辺に群れて みづばせう咲く〉

 現在、土湯温泉町にはこの歌が刻まれた碑が建てられている。部屋は計10室。各客室には隣接する樹木の名前がついている。雅子さまは純和風数寄屋造り『楓の間』に滞在。土湯温泉より源泉を引いた古代檜風呂付きでいつでも温泉を楽しめる。

夕食は四季折々の食材をふんだんに使った約10品も会席料理を提供

 夕食は四季折々の食材をふんだんに使った約10品の会席料理を提供。夏は清らかな渓流で獲れる岩魚も味わえる。県産A5ランクの厳選した黒毛和牛を溶岩プレートで焼いたステーキをメインに。

 原生林が残る敷地では、野生のニホンカモシカが顔を出す。宿のアイドル的存在。

「来訪時は群生する10万株の水芭蕉が七分咲きの見頃を迎えていました。東日本大震災の翌年、歌会始の雅子さまの詠進歌は、まさにこの景色を詠まれたものです」(竹内さん)。

※女性セブン2019年8月22・29日号

土湯温泉近くの仁田沼にて。ご成婚から4年目の両陛下

関連記事

トピックス

ブラジルを公式訪問している佳子さま(写真/アフロ)
佳子さま、外交関係樹立130周年のブラジルを公式訪問 子供たちと笑顔でハイタッチ、花柄のドレス姿も 
女性セブン
「寂しい見た目」の給食に批判が殺到(X /時事通信フォト)
《中国でもヤバい給食に批判殺到》ラー油かけご飯、唐揚げ1つ、「ご飯にたまご焼きだけ」と炎上した天津丼…日本・中国で相次ぐ貧相給食の背景にある“事情の違い”
NEWSポストセブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
家出した中学生を自宅に住まわせ売春させたとして逮捕された三ノ輪勝容疑者(左はInstagramより)
《顔面タトゥーの男が中学生売春》「地元の警察でも有名だと…」自称暴力団・三ノ輪勝容疑者(33)の“意外な素顔”と近隣住民が耳にしていた「若い女性の声」
NEWSポストセブン
山本賢太アナウンサーのプロフィール。「人生は超回復」がモットー(フジテレビ公式HPより)
《後悔と恥ずかしさ》フジ山本賢太アナが過去のオンラインカジノ利用で謝罪 「うちにも”オンカジ”が…」戦々恐々とする人たち
NEWSポストセブン
親日路線を貫いた尹政権を「日本に擦り寄る屈辱外交」と断じていた李在明氏(時事通信フォト)
韓国・李在明新大統領は親中派「習近平氏の接近は時間の問題」、高まる“日本有事”リスク 日米韓による中国包囲網から韓国が抜ける最悪のケースも
週刊ポスト
田中真一さんと真美子さん(左/リコーブラックラムズ東京の公式サイトより、右/レッドウェーブ公式サイトより)
《真美子さんとの約束》大谷翔平の義兄がラグビーチームを退団していた! 過去に大怪我も現役続行にこだわる「妹との共通点」
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《「来来亭」の“ウジムシ混入ラーメン”動画が物議》本部が「他の客のラーメンへの混入」に公式回答「(動画の)お客様以外からのお問い合わせはございません」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン