「ニューヨークに行きたいか~!」と司会の福留功男が叫ぶと、会場から「おー!」と熱い声が返ってくる。挑戦者は○×や早押しなど、様々なクイズに勝ち抜きアメリカを横断、ニューヨークでの決勝戦を目指した『アメリカ横断ウルトラクイズ』(1977~1992年、日本テレビ系、1998年に特番)。日本中のお茶の間が夢中になり、憧れたクイズ番組だ。
特番からのスタートだったが、大規模な視聴者参加型クイズは、熱狂的に支持された。1977年から1992年まで毎年16回放送され、視聴率は平均24.4%、最高34.5%を記録。第10回までの演出を担当した、現テレビマンユニオン副会長の白井博氏が話す。
「番組が始まった当時、海外旅行は一部の人しか行くことができない高嶺の花でした。クイズへの参加をきっかけに、初めてパスポートをとったという人もいたくらい。参加した皆さん、本気で『ニューヨークに行きたい』と思っていた時代です」
第1回予選の後楽園球場に集まったのは、わずか404人。しかし、回を追うごとにファンは増え、7年目には1万人を突破。やがて2万人を超えた。
◆3日寝かせた「どろんこ」
白井氏は、「普通の人でも参加できたことが、人気につながったのではないか」と振り返る。