お盆休みを利用して、沖縄のビーチで夏を満喫した人も多いだろう。国内では不動の人気リゾート地である沖縄だが、近年、増え続けるリゾートホテルで深刻な人手不足問題が起きているという。ホテル評論家の瀧澤信秋氏が内情をレポートする。
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ホテルの開業が相次ぐ沖縄。特に、自然豊かな北部方面のリゾートホテル進出は顕著になっており、恩納村だけでも2013年には19軒だったのが、2017年には96軒と5倍に増えた。
今夏も7月10日に「ロワジール?リビングスイーツ 瀬良垣」が開業。全室キッチンやランドリーを備えるコンドミニアムタイプが特徴で長期滞在を提案している。
また、同月26日にはハワイの老舗ホテルが創業100年にして初の海外進出となる「ハレクラニ沖縄」をオープンさせた。ハレクラニの開業は2019年のホテルトピックのひとつとして全国的な注目を浴びている。全360室すべてオーシャンビュー、5つのプールを備え多世代の取り込みを狙う。
しかし、そうした華やかな沖縄ホテル活況の裏で問題となっているのが“人材の確保”だ。
前出のハレクラニほどのクオリティホテルとなれば、人材教育に加えて、質の高いスタッフがスタンバイしていることは大前提になる。そこで、同ホテルでは施設近くに従業員が寮として利用できる単身用マンションを用意したという。
複数の現地ホテル関係者を取材すると、「最近、高級リゾートホテルを中心に優秀なスタッフの退職が相次いだ」という声が複数聞かれた。規模の大きいホテルが開業したからといって、自然と従業員が溢れ出てくるわけではない。特にハイクラスのリゾートホテル開業ともなれば、能力あるスタッフの奪い合いになることは目に見えている。
さらに“2年の法則”を教えてくれたホテル関係者もいた。海や自然にあこがれてリゾートホテルへ就職するが、街へ戻りたいと2年ほどで退職する者が多いのだという。ホテルのスタッフ問題はゲストの増減に直結するともいわれるだけに、ホテル側の悩みは深い。