新天皇の即位から3か月。各メディアで宮内庁の新たな取材体制への移行が進むなか、あるテレビ局では大きな変化が起きていた。
「フジテレビの7月の人事異動で、安倍首相の甥っ子で宮内庁担当記者だった岸信千世さんが、気象庁担当に異動になったんです。
岸さんはもともと政治部出身で、2017年に宮内庁担当に異動した際は、総理とのパイプを活かして、元号スクープを期待されていた。今後も令和皇室の取材には力を入れていく方針なので、このタイミングで岸さんが外れたことに対して、局内でも驚きの声が広がっています」(フジテレビ局員)
岸氏は、安倍首相の実弟である岸信夫・衆院議員の息子で、政界関係者の間では「(子供がいない)安倍の後継者」とも目されている。
岸氏の異動に、報道フロアがざわついたというが、別のフジテレビ局員はこう語る。
「むしろ元号スクープに対する岸さんへの期待が高すぎたんです。フタを開ければ何の特ダネも報じることができず、上層部の落胆は大きかったといいます。元号が変わったからお役御免になったのでは……なんて冗談ともつかない話が局内では飛び交っています」
フジテレビに聞くと、「個別の社員の担当業務に関してはお答えしておりません」との回答だった。
「将来的には退社して政界に転身する可能性が高い」(政治ジャーナリスト)と言われる岸氏。この異動は安倍首相の掲げる「災害に強い国づくり」に向けた勉強期間なのかもしれない。
※週刊ポスト2019年8月30日号