芸能

伝説のゲイバーママ「勝新太郎さんには、今もツケが(笑)」

勝新太郎の豪快エピソードを吉野ママが語る(写真/時事通信フォト)

 六本木の伝説のゲイバー「吉野」といえば、美空ひばり、石原裕次郎、長嶋茂雄、三島由紀夫など各界のスターたちが集った店として知られている。その「吉野」のママ、吉野寿雄氏(88)が、今年米寿を迎え「終活の一環として思い出を記録に残しておきたい」と、貴重な思い出を明かした。

 * * *
(常連客だった高倉)健さんは、誰かにプレゼントするのが好き。私も誕生日に海外ブランドの高級時計をもらったり、当時は珍しかったグッチの服とか旅行カバンとか、色々なものを貰ったわ。でも、私だけが特別じゃなくて、共演者や周りの皆に対してそうだった。

 勝新太郎さんがウチに来て「高倉健が、金のネックレスの凄いのをくれたから、もうオレ、感激しちゃって……」って言うのよ。でも後日、憮然とした様子で「俺と同じやつ、皆にあげてるじゃねぇか!」って。共演者がみんな一緒のネックレスをつけていたんですって。もう大笑いしたわよ。

〈勝新太郎と高倉健といえば、高倉に惚れ込んだ勝がアプローチを重ねた末、1974年にやっと勝プロ制作の映画『無宿』で初共演が叶ったという間柄。それだけに、“ネックレスの真相”を知った勝の落胆はいかばかりだったか。〉

 勝新ちゃんとは、新橋「やなぎ」にいた頃に出会ったの。当時はまだ、中村玉緒さんと結婚する前。とにかくハンサムでモテててね。芳町(日本橋人形町にあった花街)の人気芸者といつも一緒で。「ここなら目立たないから」と、人目を忍んで“逢引き”をしてたのね。

 彼は、ナイーブで神経質な健さんと違って、親分肌でおおらかな人。豪快な性格で、スタッフたちをたくさん引き連れて飲ませては、お勘定を忘れて帰っちゃうこともあった。そういう時は、「勝プロ」がウチの裏にあったから、翌日「お勘定を……」ってお願いにいくの。でも、いまだに返してもらえてないツケはあるわね(笑い)。

高倉健と長嶋茂雄に挟まれる吉野ママ

●取材・文/宇都宮直子

※週刊ポスト2019年8月30日号

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン