宮内庁は8月9日夕刻、美智子さまの左胸に乳がんが見つかったと発表した。ステージ(進行度)は未公表だが、比較的早期の発見で、転移の可能性は低いとみられる。
美智子さまの乳がんが「比較的早期」の段階で見つかったのは、定期的に検診を受けてこられたからだ。
「美智子さまは10年以上前から、乳腺の定期検診を受けてこられたそうです。年に1、2度、東大病院にてマンモグラフィー検査を受けられ、宮内庁病院で超音波検査を続けてこられたといいます」(宮内庁関係者)
乳がんの検診はマンモグラフィー検査と超音波(エコー)検査が一般的だ。マンモグラフィーは乳房を2枚の板で挟んで行うレントゲン検査で、超音波検査は乳房に超音波をあて、しこりの有無や乳腺の状態を調べるもの。広島市民病院乳腺外科の大谷彰一郎医師はこう説明する。
「厚労省はがん検診を40才以上に推奨しています。しかし、75才以上がマンモグラフィーを受けた方がいいとは証明されていない。75才以上の場合、他病死することも少なくなく、マンモグラフィーを受けることで、10年後の乳がん死亡率を下げる結果になりにくいからです。しかし、年齢を重ねると若い時に比べて乳腺が脂肪に置き換わりマンモグラフィーで乳がんが見つかりやすくなるというメリットもあり、高齢でも検診を受けることを勧めます」(大谷医師)
ピンクリボンブレストケアクリニック表参道の島田菜穂子院長も定期的な検診の重要性を説く。
「夫の退職を機に定期検診を受けなくなり、体の不調を感じても家族に迷惑がかかるからと検診に足を運ばない人も多い。それが早期発見の妨げになります。ぜひ、定期的な検診を続けてください」
検診で早期発見できれば、「ステージ0期、I期であれば、それぞれ約100%、96%と、治る可能性が非常に高い」(湘南記念病院乳がんセンターの土井卓子医師)という。
上皇陛下は手術について美智子さまに励ましの言葉をかけられたという。
「陛下は何よりも美智子さまの体を案じ、医師から説明を受けた時も、“然るべきタイミングでいちばんよい治療を受けられるよう頑張ってほしい”と話されたそうです。美智子さまは手術や入院によって、御所からの引っ越しの準備が遅れることも気にされているそうですが、陛下は“今は何よりも体を大切にしてほしい”と伝えられているそうです」(前出・宮内庁関係者)
陛下を支え続けてこられた美智子さまは、今度は陛下の支えで、がんを乗り越える。
※女性セブン2019年9月5日号