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巨人・原監督 阿部慎之助も岡本和真も甦らせた一石二鳥の采配

阿部慎之助の起用法がチーム全体に好影響を与えている(写真:時事通信フォト)

 ベテラン起用法のお手本を、経験豊富な監督が見せた。7月31日から8月6日まで6連敗を喫し、一時は2位・DeNAに0.5ゲーム差まで迫られた巨人が8月24日にマジック20を点灯させた。

 チームが上昇気流に乗ったターニングポイントの1つに、8月7日の中日戦が挙げられる。この試合で、原辰徳監督は阿部慎之助を『5番・ファースト』で1か月振りにスタメン起用。巨人は4回、大城卓三の犠牲フライで先制すると、5回に丸佳浩、阿部慎之助と2本の2ランが飛び出す。結局、9対3で勝ち、連敗を6で止めた。チームはこの日から調子を取り戻し、続くヤクルトとの3連戦から4カード連続で勝ち越し。7月下旬から8月上旬にかけての大失速が止まった。

 阿部は8月7日から17試合中11試合で先発出場(記録は8月25日現在。以下同)し、チームは7勝3敗1分。今季、スタメン試合は通算14勝7敗1分、勝率6割6分7厘となっている。野球担当記者が話す。

「阿部の果たした役割は大きい。経験豊富な大ベテランが後ろに控えることで、岡本(和真)の調子も上がってきた。6連敗中、岡本は20打数4安打の打率2割。チャンスでの凡退も目立ち、マスコミも4番の責任を問うなど厳しい論調が多くなっていた。しかし、7日に阿部がスタメン復帰して以降、岡本の成績は68打数23安打、打率3割3分8厘。完全に復調してきた。

 今季、阿部がスタメンした22試合で、岡本は3割2分2厘。シーズン通算では2割6分8厘ですから、効果は明らかです。阿部がいると、相手投手に与えるプレッシャーは増し、岡本の負担が減ると数字が示しています」(以下同)

 岡本への影響のみならず、阿部自身もスタメンで輝きを放っている。今季先発21試合で3割3分3厘。3打席目が20打数10安打、4打席目が12打数6安打とともに5割を誇っている。長年親しんだスタメンに名を連ねると、経験が生きてくるのかもしれない。

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