ライフ

茶碗1杯の白米で7.7秒寿命が縮む? 「コメ」に潜む健康リスク

ご飯の味革命か(写真:アフロ)

コメにもリスクが…(写真/アフロ)

 日常的に食べているものに、健康に対するリスクが潜んでいるケースがあるという。日本人が昔から食べてきたコメも例外ではない。実はコメには、比較的多くの「無機ヒ素」が含まれている。

 無機ヒ素とは毒性の高い物質で、短期間で大量に体内に入ると、下痢や嘔吐、発熱などを発症し、症状が激しい場合は死に至ることもある。1998年に起きた和歌山カレー事件で使われた毒物も無機ヒ素だ。米国環境保護庁は、微量でも長期にわたって摂取すると、皮膚がんや肺がん、膀胱がんなどを発症する「発がん性物質」と認めている。

『それで寿命は何秒縮む?』(すばる舎)の著者、半谷輝己さんが話す。

「稲は土壌中の無機ヒ素をよく吸い上げるため、小麦や野菜などに比べて濃度は数十倍になります。精米時に取り除かれる胚芽に多く含まれるため、“白米より健康にいい”とされる玄米の方が1.4倍も濃度が高いのです」(半谷さん・以下同)

 では、そのコメを毎日2合ずつ食べ続けるとどんな影響が出るのか。

 福井県立大学教授の岡敏弘さん(現・京都大学教授)によると、茶碗1杯あたり白米で7.7秒、玄米で9.9秒寿命が縮むという。ただし、この計算はコメのメリットを無視して、リスクのみを評価したものであることには注意したい。

 コメは食べすぎれば肥満の原因にもなるので、ほどほどにすべきだ。

玄米で9.9秒寿命が縮む?(写真/PIXTA)

◆「豊富な鉄分」はウソ? 実は怖い「ひじき」

 日本人が日常的に食べているもので、コメ以上に無機ヒ素の濃度が高いのが「ひじき」だ。食物繊維やミネラルを多く含む “スーパーフード”などといわれているが、実はほかの海藻類の何倍もの無機ヒ素を含んでいる。英国食品規格庁は2004年7月、「ひじきは無機ヒ素を多く含むので食べないように」という勧告を出しているほどだ。

 仮に毎日、小鉢に入ったひじき(乾燥ひじき10g)の煮物を1人前ずつ食べたとすると、岡さんによれば、1人前あたり11分15秒も寿命が縮むという。コメよりもかなり危険な数字だ。

 また、ひじきの煮物は鉄分が多いという理由から、学校給食にもよく出されるが、実はこれは大きな間違いだったことが近年わかった。

「日本食品標準成分表によれば、ひじきが鉄分を多く含んでいたのではなく、鉄の釜で煮ていたから鉄分が多かっただけで、その数値が独り歩きしていたんです。ステンレスの釜に変えて検査したら、鉄の量が激減しました。鉄分が少ないのなら、ひじきを食べるメリットはあまりない」

 ひじきが好きで、どうしても食べたいという人は、乾燥ひじきを30分以上かけて水で戻し、その水を捨てて、さらに2~3回水で洗ってから煮ることで、無機ヒ素を大幅に減らせるという。

※女性セブン2019年9月12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
広末涼子、「勾留が長引く」可能性 取り調べ中に興奮状態で「自傷ほのめかす発言があった」との情報も 捜査関係者は「釈放でリスクも」と懸念
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”川崎春花がついに「5週連続欠場」ツアーの広報担当「ブライトナー業務」の去就にも注目集まる「就任インタビュー撮影には不参加」
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
筑波大の入学式に臨まれる悠仁さま(時事通信フォト)
【筑波大入学の悠仁さま】通学ルートの高速道路下に「八潮市道路陥没」下水道管が通っていた 専門家の見解は
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
《事故前にも奇行》広末涼子容疑者、同乗した“自称マネージャー”が運転しなかった謎…奈良からおよそ約450キロの道のり「撮影の帰り道だった可能性」
NEWSポストセブン
長浜簡易裁判所。書記官はなぜ遺体を遺棄したのか
【冷凍女性死体遺棄】「怖い雰囲気で近寄りがたくて…」容疑者3人の“薄気味悪い共通点”と“生活感が残った民家”「奥さんはずっと見ていない気がする」【滋賀・大津市】
NEWSポストセブン
坂本勇人(左)を阿部慎之助監督は今後どう起用していくのか
《年俸5億円の代打要員・守備固めはいらない…》巨人・坂本勇人「不調の原因」はどこにあるのか 阿部監督に迫られる「坂本を使わない」の決断
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者(44)が現行犯逮捕された
「『キャー!!』って尋常じゃない声が断続的に続いて…」事故直前、サービスエリアに響いた謎の奇声 “不思議な行動”が次々と発覚、薬物検査も実施へ 【広末涼子逮捕】
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
再再婚が噂される鳥羽氏(右)
《芸能活動自粛の広末涼子》鳥羽周作シェフが水面下で進めていた「新たな生活」 1月に運営会社の代表取締役に復帰も…事故に無言つらぬく現在
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン