「一瞬がすべて、すべてが一瞬」の信念で被写体に向き合ってきた写真家・高橋昇。作家・開高健とともに世界11カ国を同行取材した共著『オーパ!』シリーズで知られる彼は、2007年に58歳で急逝するまで一線で活躍し続けた。
作品の一つに、『月刊プレイボーイ 日本版』(1975年~2008年)の「プレイボーイ・インタビュー」でのポートレートがある。
同作では、第9回日本アカデミー賞優秀作品賞を受賞した主演映画『それから』が公開された直後の松田優作、出演映画が100本に迫る勢いだった吉永小百合、ビートたけしや山口百恵ら日本を代表する著名人をフィルムに収めた。その44名の貴重なポートレートが、9月3日から開催される高橋昇写真展「熱波─プレイボーイ・インタビューセレクション─」(JCIIフォトサロン)で公開される。
時代を彩った顔とともに、過去に思いを馳せてみては。
●たかはし・のぼる/1949年北海道生まれ、日本写真専門学院卒。写真家・篠山紀信氏に師事し、1975年に25歳で独立。1978年、作家・開高健に同行取材した共著、ブラジル・アマゾン釣魚紀行『オーパ!』が人気を博し、シリーズ化される。1983年「第14回講談社出版文化賞」受賞。日本の探求をライフワークと定め、能楽師の五十六世梅若六郎、歌舞伎役者の九代目中村福助を長期にわたって撮影した。2007年、58歳で逝去。
※週刊ポスト2019年9月6日号