ビジネス

「冷凍チャーハン」100億円市場、各社こだわり開発の舞台裏

冷凍食品メーカー各社はさまざまなチャーハンを市場に投入ししのぎを削る

 ふっくら、パラパラ。ご飯1粒1粒に卵と油が絡まり、黄金色にキラキラと光る。中華料理の定番「チャーハン」は、多くの人に愛されてきた。そんなチャーハンを家庭でも気軽に楽しめるようにしたのが、「冷凍チャーハン」だ。

 日本冷凍食品協会の統計によれば、2017年度の冷凍食品国内生産量において、チャーハンは品目別で「コロッケ」「うどん」に次ぐ3位。過去3年で4つ順位を上げており、その人気ぶりがうかがえる。ほかの米飯製品も寄せ付けない。

 そのパイオニアといえる存在が、冷凍食品大手ニチレイフーズの「本格炒め炒飯」だ。2001年に発売されたところ大ヒットした。以来、冷凍チャーハンのカテゴリーで18年連続売り上げトップを走っている。日経POSデータによれば、2019年上半期の新製品売れ筋ランキングで、飲料、酒類、菓子以外の「その他食品」部門で1位だ。

ニチレイフーズの「本格炒め炒飯」

 テレビ番組にも登場する“冷凍王子”こと冷凍食品開発コンサルタントの西川剛史氏は、「私自身、大学生のとき初めて食べて衝撃を受けた一品。冷凍食品に携わる仕事をしたいと思うようになった思い出深いチャーハンです」と語る。専門家にそう言わしめるほどの強さの理由は、一体どこにあるのか。

「本格炒め炒飯が、冷凍チャーハン市場の分岐点となった」。そう語るのはニチレイフーズ経営企画部広報グループリーダーの奥村剛飛氏。1990年代までの冷凍チャーハンは、チャーハンの風味を出す中華調味料を加えたピラフに近いものだった。

 だが「本格炒め炒飯」はその名の通り、業界で初めて、鉄板を使った「炒め」の工程を採用したチャーハンだ。そもそもプロの料理人が作るチャーハンは、とにかく強火の油で炒めるのが特徴だ。プロならではの「パラパラ」感を出すには、この工程が不可欠だった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
日米通算200勝を前に渋みが続く田中
15歳の田中将大を“投手に抜擢”した恩師が語る「指先の感覚が良かった」の原点 大願の200勝に向けて「スタイルチェンジが必要」のエールを贈る
週刊ポスト
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
裏アカ騒動、その代償は大きかった
《まじで早く辞めてくんねえかな》モー娘。北川莉央“裏アカ流出騒動” 同じ騒ぎ起こした先輩アイドルと同じ「ソロの道」歩むか
NEWSポストセブン
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手
【「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手】積水ハウス55億円詐欺事件・受刑者との往復書簡 “主犯格”は「騙された」と主張、食い違う当事者たちの言い分
週刊ポスト
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト
4月24日発売の『週刊文春』で、“二股交際疑惑”を報じられた女優・永野芽郁
【ギリギリセーフの可能性も】不倫報道・永野芽郁と田中圭のCMクライアント企業は横並びで「様子見」…NTTコミュニケーションズほか寄せられた「見解」
NEWSポストセブン
ミニから美脚が飛び出す深田恭子
《半同棲ライフの実態》深田恭子の新恋人“茶髪にピアスのテレビマン”が匂わせから一転、SNSを削除した理由「彼なりに覚悟を示した」
NEWSポストセブン
保育士の行仕由佳さん(35)とプロボクサーだった佐藤蓮真容疑者(21)の関係とはいったい──(本人SNSより)
《宮城・保育士死体遺棄》「亡くなった女性とは“親しい仲”だと聞いていました」行仕由佳さんとプロボクサー・佐藤蓮真容疑者(21)の“意外な関係性”
NEWSポストセブン
過去のセクハラが報じられた石橋貴明
とんねるず・石橋貴明 恒例の人気特番が消滅危機のなか「がん闘病」を支える女性
週刊ポスト