意外なことが長寿につながるという──。読書の習慣が寿命を延ばすとは誰も思わないのではないだろうか。
米イエール大学の研究では、読書時間が「週3時間半以下」だった人たちは17%、「3時間半以上」だった人は23%死亡リスクが低下するという。
読書好きには高学歴で経済的に豊かな人が多いはずで、健康や医療にお金をかけられるからではないかと思いきや、そうした条件は調整済みの研究結果だ。なぜ体を動かしてもいないのに寿命が延びるのか。イシハラクリニック副院長で医師の石原新菜さんが話す。
「厚生労働省が発表した都道府県別健康寿命で、山梨県は長寿1位でした。山梨県の図書館数は、人口100万人あたり65.9館で全国1位。世帯あたりの年間書籍支出額も、1万2491円で全国1位です。これだけを見ても、やはり読書は、健康寿命と関係しているとみてよいでしょう。
読書をしていろんな知識を得ようとする前向きな気持ちが、がん細胞を殺す『NK細胞』を活性化させるのではないかとみています」
この見解には、千葉大学予防医学センター教授の近藤克則さんも同意する。
「本を読んでいた人の方が3年後の認知機能が高く、それが死亡率を抑えていたそうです。読書する人は、図書館や書店に行ったり、社会への興味や関心があり、いろんな場所へ足を運ぶ傾向があるなど、身体活動量も多いのではないでしょうか」
※女性セブン2019年9月12日号