内閣府が2015年に発表した『自殺対策白書』によると、18才以下の自殺者数は9月1日が最も多く過去約40年間で131人にのぼった。いじめなどを苦にする学生が夏休み明けの新学期に命を絶つのだ。しかも最近のいじめは“手段”が変わってきており、周りから認知されづらいSNSを舞台にする傾向に。今や中学生の約7割が持っているスマートフォン(以下スマホ)。その中でどんないじめが起きているのか。
いじめに使用されることが多いのがLINEの「ステメ」だ。LINEではアカウントごとにプロフィール画面が作られる。名前(ニックネーム)の下には、プロフィールが500字分書ける「ステータスメッセージ」(通称ステメ)の欄が設けられている。ここでいじめが展開されるのだ。
いつも人に見られるわけではないこの欄に、悪口を書くいじめが増えているという。それも、読む人が読めばわかる悪口を書いて仲間と共有した後に消す。
例えば、「頭悪いやつ、マジ迷惑だから」など、その日の学校で起こったムカつくことを、人物を明確にせず書くわけだ。傍目にはいじめとは思えない文章のうえ、追及されても、「彼女のことを言ったわけではない」と言い逃れができてしまう。
◆LINEのタイムラインなら証拠が残らない
SNSいじめでは、文字や画像が履歴に残るので、証拠が押さえやすかった。しかし最近では、証拠が残らない機能を駆使する確信犯が増えている。それがLINEの「タイムライン」だ。
これは本来、自分の近況や仲間に知らせたいことなどを投稿し、LINEに登録している友達と共有できる機能だ。
メッセージをやり取りする機能には「トーク」もあるのだが、これは、一度送ったメッセージが相手に読まれると、その後に消しても履歴は残る。しかし「タイムライン」の場合、相手が読んだ後に消しても、消したという形跡すら残らない。そのため、悪口を発信し、被害者が読んだタイミングで消して証拠を隠滅するのだ。
※女性セブン2019年9月19日号