2013年に「いじめ防止対策推進法」が施行されてから、学校はいじめ問題により緊密に向き合うようになった。そのため、いじめが発覚しやすくなり、認知件数は増えた。一方で、大人にバレないようないじめの方法が蔓延しているという。それが、SNSいじめだ。
「ここ数年で、暴力などの目に見えるいじめから、SNSを舞台にした見えにくいいじめに手段が移行しています」
と語るのは、ストップイットジャパン代表の谷山大三郎さんだ。
「学校内でなんらかの人間関係のこじれがあり、その延長としてネット上でも仲間外れなどをするわけです。教室内でのいざこざなら教師も対応できますが、ネット上となると、対応しづらいのが現実です」(谷山さん)
しかも加害者は、表立って攻撃すると問題になることがわかっているケースが多く、外部に気づかれず、かつ、証拠が残らないよう、巧妙な手法で精神的苦痛を与えてくる。
たとえば、LINEの「ステメ(ステータスメッセージ)」にいやがらせの言葉を書くタイプのいじめなどは、外部から実態を掴むのは困難だという。
◆周囲がいじめに注視することが抑止効果に