いじめ防止対策推進法が2013年に施行されたことで、学校のいじめ対策が本格化、いじめ認知件数は増えることとなった。しかし、大人に見えづらいSNSを使ったいじめが蔓延することとなっている。
◆当事者にしかわからない新タイプの“仲間はずれ”
仲のいい友達など複数人でメッセージをやり取りできるLINEの「グループトーク」。しかし、仲間内からいじめ被害者だけが外されたグループが密かに作られ、そこで悪口が展開されるというのが、よくあるケースだという。
さらに、各グループトークではステータスメッセージ(ステメ)が設定できるのだが、この欄に仲間内だけでわかるような嫌がらせのメッセージを入力するなどのいじめも起こる。
たとえば、いじめ被害者も参加しているグループなのに、プロフィール写真には、被害者だけが切り取られた画像が使われるというパターンも。トーク上では誰も悪口は言わないが、本人にだけ“仲間外れにされている”とわからせる陰湿な方法だ。
◆被害者をおとしめる画像を撮り、クラス中に拡散
殴られているシーンや、無理やり性的なこと、恥ずかしいことを言わせているシーンを動画や写真に撮る、または、異性のクラスメートと話している場面の写真を撮って、「あの2人はつきあっている」「彼氏を盗られた」などのデマを流し、仲間内だけでなくクラス中、果てはYou Tubeなどで世界中に配信されてしまうケースもある。
しかし、これらの方法は加害者側にもリスクが高いため、最近では、写真加工アプリで、被害者の顔写真をおもしろい顔や醜い顔に加工し、拡散するパターンが多いという。クラス中で笑いものにされ、被害者はかなり傷つくが、加害者を追及しても、「かわいいと思った」などと逃げられてしまう。
※女性セブン2019年9月19日号