8月末の夜、数多くの高級クルーザーが係留する東京夢の島マリーナのクラブハウスで、あるパーティが催されていた。
会費は5000円でワインや焼酎などのアルコールのほか、阿波牛の角切りステーキなど豪勢な食事がテーブルに並ぶ。出席しているのは幅広い年齢層の起業家たちだが、中心にいたのは意外な人物だった。
問題発言を繰り返したあげく、岩手県出身の高橋比奈子・衆院議員の政治資金パーティで「復興以上に大事なのは高橋さん」と言って五輪担当相を事実上更迭された桜田義孝・衆院議員である。
パーティ主催者が桜田氏の支援者だった関係で、この夜はライムの入った焼酎を片手に、頬を赤らめながら上機嫌でマイクを握っていた。
「適当なこと言っていいんですか? 炎上さえしなければいい?」
開口一番、そう言って会場から、拍手喝采を浴びた桜田氏。次の選挙に向けてこんな話をした。
「東京で会合やイベントの声がかかると“あれっ、今度の選挙なんとかなるかなぁ”と思うんですよ。人気のバロメーターは東京でどれだけ呼ばれるかどうか。地元の世論調査で金かけるくらいならこういうところに来たいね」