異例の「練習非公開」で、謎に包まれていた羽生結弦(24才)の今シーズンのプログラム。9月13日、いよいよそのベールを脱ぐ。
カナダ・オークビルで12日から始まる「オータム・クラシック」。羽生が最初にリンクに上がるのは、日本時間で13日未明の男子シングル公式練習だ。
「例年なら8月頃には羽生選手が拠点としているスケート練習場『クリケットクラブ』(カナダ・トロント)で練習が公開され、そのシーズンのプログラムが明かされます。ところが、今年はなぜか練習が非公開。異例の事態にさまざまな憶測が飛び交っていました」(スケート関係者)
特にファンが懸念していたのは、けがの影響だ。
「羽生選手は2018年11月に右足首靱帯を損傷。けがの影響は深刻で、今年3月の世界選手権ではネイサン・チェン選手(20才)に続き2位という結果でした。しかし、5月からは『ファンタジー・オン・アイス2019』に出演しています。
責任感が強くファン思いの羽生選手らしい姿が見られてうれしい半面、体を充分に休める暇がなかったことで、足首のけがが尾を引いていないかと心配の声が上がっているんです」(スポーツ紙記者)
そんな中、羽生はいったいどんなプログラム構成を決断したのか。そのヒントが、羽生が出演するチョコレートのCM「ガーナエクセレント」のインタビューにあった。
「最終的に、圧倒的に勝てることこそが楽しさだと思うので、よい演技を目指しつつ、競技でもやっぱり勝ちたい」
「自分の体を大切にしながら限界に挑戦しつつ、リスクがあるところをなんとか切り抜けながらやりたい」
そうした羽生の言葉から、フィギュアスケートに詳しいスポーツライターはこう推測する。
「昨季までのプログラムをある程度継続するのであれば、これまでの経験を生かすことができ、体への負担を減らしやすい。実際に、過去のプログラムを継続して使用し優勝した経験もあります。一方で『圧倒的勝利』を口にしていますから、これまでになかったプログラムに挑戦し、自分の限界に挑戦するという可能性も否めません」
そんな羽生は今も、カナダで“打倒ネイサン・チェン”に向け、練習に励んでいる。
「練習を非公開にしているのは、事前に情報が広がるのを懸念しているのかもしれません。ここ数年、シーズンの最初に調子を落としているのが影響しているのでしょう。ですが、そうした中で徐々に調子を上げ、立て直していくパターンも多い。今はまず練習に集中して、優勝を目指してほしいです」(日本スケート連盟関係者)
王者の「圧倒的勝利」に期待したい。
※女性セブン2019年9月26日・10月3日号