「早くお見舞いに行かねばなりませんね」。雅子さま(55才)は闘病中の美智子さま(84才)について、周囲にそう漏らされたという。
天皇皇后両陛下は9月8日、「全国豊かな海づくり大会」(秋田県)の式典に出席された。
「その日がちょうど美智子さまの乳がん手術の予定日でした。お近くにいて励まされたいお気持ちだったのでしょうが、ご公務のため、前日7日に秋田入り。両陛下は美智子さまにお電話で励ましのお言葉を伝えられたそうですが、やはりお顔を見たいと、秋田へと向かわれる際、雅子さまは心配の念を露わにされていたそうです」(宮内庁関係者)
美智子さまが、手術の行われる東京大学医学部附属病院(東京・文京区)に入院された際は、病棟の中からも、患者を含めて多くの人が一目見ようと集まった。
「美智子さまは穏やかな笑みで丁寧に会釈をされていました。小さな子供を見つけると、膝を曲げられその子の目線に合わせて手を振られました。ご自分の手術という不安はおありだったに違いありませんが、人々に対して堂々と振る舞われるお姿には勇気づけられました」(居合わせた患者)
8日、4時間近くに及んだ手術が無事終わり、10日に退院された。雅子さまは同日、皇居で30分ほどお見舞いをされ、「皇居を出られた雅子さまの表情には、安堵の色が浮かんでいた」(皇室記者)という。
美智子さまは8月上旬にがんを公表されて以降、ご自分の病状を逐一、国民に知らせてこられた。手術前の堂々とされた振る舞いも、「国民を心配させてはいけない」というお気持ちだったのだろう。
《陛下が、今までにも増して重い責務を果たしていらっしゃるのですから、日々のお疲れをいやす安らぎのある家庭を作っていきたいと願っています》
今から30年前、上皇陛下が天皇に即位された際の記者会見で、同席された美智子さまが口にされた言葉だ。平成元年、新時代の幕開けに美智子さまはそうご覚悟を宣言された。お言葉の通り、長きにわたって陛下に寄り添い、さらには国民にとっても“安らげる存在”であり続けた。
◆陛下のお隣でしっかりと支えたいというお気持ち
前例に従うならば、令和への御代がわりに合わせて、天皇陛下と雅子さまもお気持ちを表明される場が設けられるはずだ。
「実は、即位に際しての会見が必要であることは、関係者みなが認識しています。ですが、雅子さまはもう16年もの間、会見を開いておられません。会見そのものが“タブー視”されており、具体的な話が進められずにいたのです。ですが、徐々に雅子さまを巡る環境が変わってきました」(別の宮内庁関係者)
雅子さまはこの9月、宿泊を伴う地方公務を3度予定されている。前出の「海づくり大会」はそのうちの1つだった。約16年前に療養生活に入られた雅子さまにとって、地方公務、しかもお泊まりを伴うものは、長らくハードルの高いものだった。