加工食品に使用できる食品添加物は、いずれも国が安全性を認めているものだ。しかし、他の物質と組み合わさることで毒性を持つようになるケースもあるという。
食品添加物の「亜硝酸塩」は、ハムやソーセージに多く使われる発色剤で、「亜硝酸ナトリウム」「亜硝酸Na」とも表示される。食肉中のヘモグロビンなどと結合して、鮮やかなピンク色に保つことができる。食品ジャーナリストの郡司和夫さんはこう話す。
「ボツリヌス菌の繁殖を抑えるという効果がある一方で、人の胃の中や、食肉そのものに含まれる『アミン類』という物質と結合すると、『ニトロソ化合物』という強い発がん性物質が生成されることがわかっています。ヨーロッパでは規制しようとする動きもあります」
「無塩せき」と表示のある商品は、亜硝酸塩を使用せずに製造していることを示している。加工肉を選ぶ時は、発色のよさではなく「無塩せき」を選びたい。
◆ソルビン酸 亜硝酸塩との相乗作用で発がんリスク大に
保存料の代表格である「ソルビン酸」だが、水に溶けにくいことから、最近は水溶性が高い「ソルビン酸カリウム」が用いられることが多い。
「保存料(ソルビン酸K)」などと表示され、チーズやかまぼこ、食肉製品など多くの食品に使われている。
「ソルビン酸は厚労省が設けた使用基準値以下なら健康を損なう心配はないとされていますが、動物実験では肝臓肥大、成長抑制、染色体異常を引き起こすことなどが指摘されています」(郡司さん)
さらに、「亜硝酸塩」との組み合わせによって危険性はアップするという。
「ソルビン酸と亜硝酸塩が混ざると、発がん性物質ができる。特に、加工肉には、両方が添加されていることが多い。ソルビン酸単体しか使用されていなくても、ほかの食品から亜硝酸塩を摂取している可能性があるので、なるべく避けた方がいいでしょう」(郡司さん)
※女性セブン2019年9月26日・10月3日号