関東地方を直撃した台風15号は、千葉県を中心に「大規模停電」「断水」などのインフラ遮断で甚大な被害をもたらした。
自然災害大国の日本では、いつ不自由な避難所生活を余儀なくされるか分からない。
2016年の熊本地震では、ほとんどの避難所でペットが受け入れられなかったため、愛犬や愛猫と車中で寝泊まりする被災者が、エコノミークラス症候群を発症するケースがあった。
そうした前例を踏まえ、現在では環境省がペットとの「同行避難」を推奨しているが、すべての避難所がペットを受け入れられるわけではない。
昨年の西日本豪雨では、県の獣医師会が無料でペットを預かってくれる動物病院・ペットショップを公開したり、災害時の緊急ペット相談窓口を開設するなど、臨時の対応もなされた。
『シニアのための防災手帖』を監修した一般社団法人「地域防災支援協会」代表理事の三平洵氏がいう。
「多くの避難所では、迅速にペット用スペースを作るなどの対処が追いつかないのが現実です。ペットを飼っている人は、もし自分の地域で災害が起きた時に対応してくれる避難所、行政機関がどこなのか、確認しておくと安心です」
※週刊ポスト2019年10月4日号