ライフ

トンカツの新潮流 「ロゼ色肉」から「銘柄豚食べ比べ」へ

『成蔵』のトンカツは「ロゼ色」に輝く(撮影/中庭愉生)

 今やすっかり日本食として定着しているとんかつだが、近年、大きな変化が起きているという。フードライターの松浦達也氏が現状を解説する。

 * * *
 とんかつは、明治時代に創業の洋食の老舗店である銀座の「煉瓦亭」や上野の「ぽん多本家」が出したカツレツが元祖と言われています。

 当時は政財界の人向けの高級食。大正時代後期以降に大衆化が図られるも、戦後高度成長期までは庶民が気安く外食する気風はありませんでした。

 とんかつ事情が大きく変わったのはここ10年ほど。高田馬場に開店した「成蔵(なりくら)」(現在は南阿佐ヶ谷に移転)が分厚い肉で中はロゼ色というとんかつを出して以降、肉や揚げ方にこだわった専門店が次々に登場します。

 一方、チェーン店はリーズナブルなとんかつに乗り出し、現在は高級路線とお手頃路線の二極化が進んでいます。高級路線では、高田馬場の「とんかつ ひなた」や銀座の「銀座かつかみ」のような部位食べ比べを提供する店が増えてきています。

 最新事情で言うと、銘柄豚の食べ比べが人気になりつつあります。すでに前出の「成蔵」などでは数種の銘柄豚のとんかつを友人同士で取りわける光景が見られるようになりました。

 とんかつが多様化し、食文化としても完全に定着した今、これからの進化も楽しみです。

『銀座かつかみ』の「夜のBコース」では希少部位のナカシン(右)が味わえることも(撮影/岩本朗)

※週刊ポスト2019年10月4日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン