巷には、生活習慣病を予防できるような多くのグッズが登場している。進化し続ける健康グッズ。その恩恵は、使い方次第でさらに大きなものとなる。地域の福祉講座や介護施設などで認知症や運動器障害の予防指導を行ない、健康器具にも詳しい日本福祉大学社会福祉総合研修センター・コーディネーターの荒深裕規氏に聞いた。
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血圧や血糖値などを測るときは、毎日、同じ時間帯や同じ条件(食前、食後、風呂上がりなど)、同じ部位で記録を取ることが大事です。運動や飲酒などの生活習慣で、どう数値が変動するのかを見るためです。
食事の管理をする場合も、ご飯の量や塩分を減らしたら、それで体重や体脂肪、血圧などがどう変わったかを見て、自分の身体の特徴がわかります。最近の健康器具は安くても精度が高いので、計測の条件や環境を揃えてこまめに計測すれば、体重・体脂肪、血圧などを落としやすい生活習慣が見えてきます。
「運動法と計測の仕方」にも気を付けたいですね。ウォーキングでも、最近の研究ではただ歩くだけでなく、階段を上ったり、早歩きしたりするなど、負荷をかけながら歩くことが筋肉の衰えを防ぐ手立てになることがわかってきました。最新の活動量計(歩数計)には、階段上りや早歩きを分けてカウントする機能があるので便利だと思います。
また、ストレッチ器具にしても、特に高齢になると硬くなりやすい足首や膝を動きやすくする器具を選べば関節疾患の防止にもなります。
さらに、こうした運動を「頭を使いながら」することで、認知症予防にもなる。足首をストレッチしながらゲームパッドで遊ぶなど、頭と身体を同時に使うことで脳の動きを活発にすることができます。
どれか1つだけを使うのではなく、自分に合ったものを複合的に使って、生活習慣を改善していきましょう。
※週刊ポスト2019年10月4日号