防犯対策で頼りになるのがオートロック。一人暮らしの女性の中には、オートロック付きの物件を絶対条件に上げる人も多いが、オートロックが無効になった状態で窃盗が発生した場合、責任は誰が負うべきか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。
【相談】
空き巣の被害に。原因は私のカギのかけ忘れ。ただ、マンションはオートロック式。でも、引っ越し業者が出入りし、ドアを段ボールで目張り、誰でも敷地内に入れる状況でした。この場合、悪いのは私か、ドアを開けっぱなしにしていた業者か。それとも業者や住人に注意喚起を怠った管理会社になりますか。
【回答】
マンションの玄関のオートロックは、不審者の立ち入りを防ぐことができ、防犯上も有効です。オートロック機能は、上質なマンションの不可欠な条件ともいえます。
オートロックを無効にすれば、外部から侵入できるのは誰でもわかる常識です。引っ越し業者は、オートロック機能を無効にすることで発生が予見できる結果について、結果発生を回避できる措置を取らなかったとすれば、その結果発生した損害については不法行為責任を負います。
各居室は施錠されているのが普通ですが、時として忘れることもあります。立ち入った不審者によって、窃盗などの事態が起きることは予見できます。業者は管理会社と連絡の上、立ち入り者を確認する見張りを立てる、居住者にオートロック機能が停止する時間帯を予告し、施錠を促すことなどで侵入者による被害を相当程度防止できるはずで、こうした対応をしなかった業者の責任は問題です。