テレビ局にとって視聴率をとれるかどうかが死活問題。そんなテレビ局にとって、新たなキラーコンテンツとして注目されている番組のジャンルがある。それは子供が出演するバラエティ番組だ。この秋にも新番組が相次いでスタートする。なぜ、“子供出演バラエティ”が増えているのか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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24日、3時間の大型特番『そんなコト考えた事なかったクイズ!トリニクって何の肉!? 3時間スペシャル』(朝日放送、テレビ朝日系)が放送され、11.4%の高視聴率を獲得しました(ビデオリサーチ、関東地区)。
今年4月スタートの同番組は、「昭和世代が平成生まれの若者たちに“知っていて当たり前の常識”をクイズとして出題するバラエティ。ジェネレーションギャップの面白さをベースにした番組であり、8月のリニューアル後から“平成生まれの解答者”の中に多くの小・中・高校生が出演するようになって「さらにギャップが広がった」と好評です。
その他、子供たちが出演している番組と言えば、『超逆境クイズバトル 99人の壁』(フジテレビ系)。「ある分野では大人にも負けない知識を持つ」子供たちが毎回10~20人出演して番組を盛り上げています。
さらに今秋、日本テレビが『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』(金曜19時~、初回10月18日)、テレビ朝日が『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(土曜18時56分~、初回10月12日)、フジテレビが『BACK TO SCHOOL!』(水曜22時~、初回10月30日)と、子供たちが出演する3本の新番組がスタートします。
なぜ今これほど子供たちの出演する番組が増えているのでしょうか?
◆19時台はゴールデンタイムではない
最大の理由は、各局が頭を悩ませる19時台の視聴率対策。仕事後に外食、趣味、習い事を楽しむ人が増え、帰ってきてもまずはネットコンテンツをチェックする人が多くなるなど、テレビ局にとって19時台は本当の意味でのゴールデンタイムではなくなりつつあります。
子供の出演番組が増えているのは、19時台の主な視聴者層が子供(特に小・中学生)と高齢層になり、両者にリアルタイムで見てもらうことで、一定の視聴率を確保したいから。子供が出演する番組は当然ながら子供が理解できる内容であり、高齢層にとっても「理解しやすい上に、孫のような子供たちがかわいらしい」という魅力があります。
実際、24日の『トリニクって何の肉!?』は、テーマ「豆」で「枝豆がもっと育つと何になる?」「大豆を真っ暗の中で育てたら何になる?」、テーマ「天気」で「雷は何同士がぶつかってできる?」「白い雲は何が集まってできる?」、テーマ「そもそも何を食べている?」で「かんぴょうって何?」「カラシって何?」「たくあんって何?」など、子供と高齢層でも気軽に楽しめるクイズばかりでした。
テレビ業界の中で、『トリニクって何の肉!?』とコンセプトが似ていると言われているのが、今や「国民的人気番組」の声もある『チコちゃんに叱られる!』(NHK)。
チコちゃんの設定は5歳であり、「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と大人を打ち負かす姿が子供たちにウケています。また、その内容も「なんでハンカチは正方形なの?」「なんでボタンを見ると押すものだと思うの?」など、子供にも高齢層にもわかりやすいものばかりです。
ちなみにNHKは『チコちゃんに叱られる!』の成功を受けて、今年4月から『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』をスタート。この番組にも、子リスをモチーフにしたカネオくん(モットーは「チコちゃんに追い付き追い越せ」)に加えて、“日直アシスタント”として13歳の田牧そらちゃんが有吉弘行さんの横に並んでレギュラー出演しています。さらに、毎回のテーマを見ても、天気予報、レジャープール、新幹線など、子供と高齢層に対応したものであることがわかるでしょう。
◆広がる視聴者参加型の番組作り