高齢化が進む日本社会。元気なお年よりも増え、さらには自分の人生の幕引きをより納得できるものにするべく、“終活“というものもブームとなっている。そんななか、注目を集めているのが「生前遺影撮影」だ。
自らの葬儀で使うための遺影を生きているうちに撮っておく「生前遺影撮影」。これさえしておけば、遺族が“遺影に使える写真がない”と慌てることもなければ、ムスッとした運転免許証の証明写真を使うこともなくなるのだ。
生前遺影撮影ブームの火付け役の1つが、東京・巣鴨にあるシニア専門の写真館『えがお写真館』。全国各地からの来店者が月100人を超えるという。できあがった写真はもとより、そのプロセスが「最高に楽しい!」と評判なのだ。
えがお写真館では、撮影前にプロのメイクアップアーティストによる“若見えメイク”を行う。そのメイクのテクニックはもちろん、衰え始めた中高年の日常にも応用することができる。そこで、えがお写真館でメイクを担当する赤坂渉さんに若見えメイクのポイントを聞いた。
「高齢世代のメイクのポイントは“補正”です。年を重ねればどうしても、肌色がくすみ、しわ、シミ、たるみが出て、いわゆる“老け顔”になります。
そこへ新たに盛っていくのは逆効果。むしろ要素はシンプルに。衰えたところを元に戻すように補正することで、その人らしく若返ります。
最重要ポイントは【A】化粧下地・BBクリーム、【B】アイブロウ(眉)、【C】チーク。さらに【D】アイライン、【E】リップ。これらのポイントをしっかりおさえることで、イキイキとした表情に。
衰えによるしわやたるみをゼロにすることはできません。撮影ではカメラや照明の力も借りますが、本人の笑顔が何より大事。その人らしく美しくなることで心が躍り、生活が楽しくなることも、メイクの大切な役割です」
※女性セブン2019年10月10日号