現役時代は入団1年目から15勝を挙げるなど大きな活躍を見せた元日本ハムの西崎幸広氏(55)が、2019年プロ野球シーズン開幕前の『週刊ポスト』3月15日号で予想した新人王は、セ・リーグが上茶谷大河(横浜)、パ・リーグが松本航(西武)だった。シーズン終了が見えてきたいま、村上宗隆(ヤクルト)と近本光司(阪神)のインパクトが強すぎると西崎氏は驚嘆する。
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セ・リーグは、チーム事情からも横浜の上茶谷投手が優位だと思っていたんですが、ヤクルトの村上選手と阪神の近本選手のインパクトが強すぎます。やはり先発投手だったら最低2桁は勝たないと話になりませんから。
村上・近本の争いになるでしょうが、新人王は記者投票。関東にチームが多くある以上、記者も関東に集まっています。これがどう働くか。というのも、私はルーキー時代に15勝7敗で、15勝12敗の阿波野(秀幸・近鉄)と争ったんですが、公平性を保つためにわざわざ投票する関東の記者を減らしたという話を後で聞きました(結果、新人王は阿波野)。今回もぜひ公平に見てほしいと思っています。
パ・リーグはチームの優勝争いに貢献した選手が有利になると思います。西武の松本航投手を推していましたが、開幕前に肺炎になって出遅れ、5月中旬からスタートは痛かったです。開幕で出遅れるということは、もう一度キャンプをやり直すのと同じ。正味2か月の遅れは相当響いています。開幕からローテーションに入っていれば今頃2桁は勝っていたと思います。
ソフトバンクの高橋礼投手は貴重なアンダースローで、12勝は見事です。シーズン前は甲斐野投手のほうが下馬評は高く、中継ぎ、抑えで数字は出していますけど、先発で2桁勝利のほうがどうしてもインパクトは強いですよね。
※数字は9月25日終了時点
●取材・文/松永多佳倫
※週刊ポスト2019年10月11日号