1999年、ロッテの新人投手ながら46試合に登板したことが今も語り草になっている野球評論家の小林雅英(45)氏。プロ野球シーズン開幕前の『週刊ポスト』3月15日号で小林市は、新人王予想としてセ・リーグでは梅津晃大(中日)、パ・リーグでは松本航(西武)、東妻勇輔(ロッテ)、永野将司(ロッテ)の名前を挙げた。今シーズンの最終結果が出始めたいま、小林氏は新人たちに向けて、焦らずじっくり上を目指せと語りかけている。
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予想していた中日の梅津晃大投手ですが、8月デビューと大幅に遅れはしたものの、デビュー3連勝してきちんとローテーションの一角を担っているので満を持して上にあがってきたと思います。
横浜の上茶谷大河投手は前半活躍しましたが、最後尻つぼみといった感じですかね。大学のリーグ戦は4、5月と9、10月の土日と決まっているのに対し、半年間を中6日でローテーションが回っていく難しさを身をもってわかったと思います。キャンプから含めてタイトなスケジュールで8か月、毎日野球をやることなんかないですから、本当にいい経験になったはずです。
パ・リーグでは大学の後輩の西武・松本航投手、ロッテ・東妻勇輔投手に期待をかけていました。うまくゲームコントロールする松本と力投派の東妻、タイプの違う2人がそれぞれいきなり活躍できるほど甘い世界じゃないと思ったので、今の成績はこんなものじゃないかなと思っています。
あと、ロッテの永野将司投手ですが、実はコーチだった昨年に不安障害(広場恐怖症)のことはすでに聞いており、エールを送る意味で新人王候補にあげました。3月中旬に病気のことを公表したのも同じ病気を抱える人たちに勇気を与えるためでもあり、彼には病気に負けず良いパフォーマンスを見せ続けてほしいと願っています。
●取材・文/松永多佳倫
※週刊ポスト2019年10月11日号