中国の首都、北京では10月1日、建国70周年を祝う軍事パレードが盛大に行われ、兵士ら約1万5000人と航空機160機余り、戦車など580台が参加した。そんな中、中国東北部の遼寧省鞍山市と、内陸部の四川省南充市で、計2人の市民が「軍事パレードに参加する兵士を殺してやる」とインターネットに書き込んだなどとして、身柄を拘留されていたことが分かった。
当局は身柄拘束の根拠となる法律として、2017年6月に施行された『サイバーセキュリティ法』を挙げているが、同法が刑事事件に適用されるのは極めて異例。同法70条では「国家の権威を汚したり、国家の安全保障を脅かした場合は厳罰に処する」などと定めており、中国ではネット規制が一段の厳しくなっていることがうかがえる。
鞍山市で身柄を拘束されたのは37歳の男で、「さあ、北京に行こう。兵士諸君、軍事パレードに参加してくれ。だが、俺は死を恐れない。拳銃を用意して、お前たちが北京に行く前に殺してやる」などと中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」に書き込んだ。
これを鞍山警察署のサイバーセキュリティ部門が発見し、この男を特定し、自宅に急行して、男も身柄を拘束。取り調べでは、テロ組織などの反政府勢力に所属しているか否かなど厳しい取り調べを受けたという。
また、南充市で拘束された24歳の男は「軍事パレードなど愚かなことだ。私やネットシチズンは軍事パレードに参加する兵士を軽蔑しているのだ。これは偉大な日本の天皇陛下も同じだ」などと書き込んだ。