プロ野球の国鉄、巨人で活躍し、『週刊ポスト』でも「誌上総監督」として活躍した金田正一氏が10月6日午前、東京都内の病院で急性胆管炎による敗血症のため死去した。享年86。
享栄商高を中退後、1950年8月に国鉄(現ヤクルト)入団。途中入団にもかかわらず1年目からいきなり8勝、17歳2カ月での史上最年少本塁打を記録した。1951年からは14年連続で20勝以上を挙げ、1965年に巨人に移籍。1969年、通算400勝を達成して現役を引退。400勝298敗、4490奪三振はいずれも史上最多。背番号34は巨人の永久欠番。
引退後は1973〜1978年、さらに1990〜1991年にロッテ監督を務め、1974年にはリーグ優勝と日本一を達成。1988年に野球殿堂入り。
『週刊ポスト』誌上では「ビシ、バシ、いわせてもらうでェ~」の名文句で始まる舌鋒鋭い野球評論を行なう「誌上総監督」として活躍。長嶋茂雄氏、王貞治氏と毎年行なわれた「ONK対談」は大人気となった。また活躍の場は野球のみにとどまらず、話題の美女をゲストに秘話を聞き出す「美女対談」や、グラビア撮影にも挑戦するなど、その明るいキャラクターは「カネやん」の愛称で誰からも愛された。
本誌ではカネやん節が冴え渡った。例えば1958年4月5日の開幕戦(後楽園)で、デビュー戦の長嶋氏から4打席連続三振を奪ったことは有名だが、金田氏はこれを否定。こう語っていた。
「ワシは翌日もリリーフして長嶋を三振に打ち取った。だから『5連続三振』が正しい。これからの若い選手はこういう正しい歴史を知らなきゃいけません」
本誌では10月21日発売号にて金田氏の追悼記事を掲載する。
長く『週刊ポスト』で総監督を務めてくださったことに深くお礼を申し上げるとともに、ご冥福をお祈りします。