温度調節機能がついていない洋式トイレの便座に布製の「便座カバー」をつけている人は多い。しかし、これがノロウイルスなどの感染を広げる原因になるという。
環境衛生コンサルタントの松本忠男氏が指摘する。
「ノロウイルスやロタウイルスなど、胃腸系の感染症は、菌やウイルスが便座カバーや床のマットなどの繊維に溜まり、それが感染の媒介となっているケースが多い」
多くのトイレは便座のみ取り替えられ、温度調節機能がついた便座は1万円前後から購入できる。自宅のトイレのメーカーや製品番号を確認し、後付け用便座の在庫を家電量販店やメーカーに問い合わせたい。
「便座カバーやマットを使うなら、感染を防ぐために、90℃以上の熱湯に1分以上浸けるか、スチームアイロンを2分以上あてて除菌してください。
また、トイレの床に掃除機をかけると、他の部屋を掃除する際に排気でウイルスを家中にまき散らすことになるので注意が必要です。床や便座には、塩素系漂白剤を水で希釈したものを湿らせたタオルで拭いて除菌してもよいでしょう」(松本氏)
※週刊ポスト2019年10月18・25日号