残り8試合となった女子ゴルフツアー。全英オープンで優勝するなど、今季、大ブレイクを果たした渋野日向子(20)の、賞金女王を目指す戦いが続く。
「賞金ランク2位(10月3日時点、以下同)の渋野が約1000万円差で追いかけるのが申ジエ(31)。昨年も最終戦の『リコーカップ』(優勝賞金3000万円)で勝つなど、ツアー終盤戦の強さはピカイチです」(ツアー関係者)
逆転のために何が必要か。プロゴルファーの沼沢聖一氏はこう指摘する。
「渋野さんの課題は100ヤード以内のショット。パットは上手いが、ツアー終盤は出場者が賞金ランク上位に絞られる上、厳しいセッティングのビッグタイトルの試合が続くだけに、入れられる距離につけるアプローチの技術が求められる。申ジエさんはそれがあるから強い。渋野さんは現状だと、いいライからしか寄せられていない。ピンを狙うショットはもちろん、ラフやバンカーからのアプローチも磨く必要があるでしょう」
対照的にショートゲームの技術で高い評価を受けるのが、米ツアーに参戦する渋野と同い年のライバル・畑岡奈紗(20)だ。
「畑岡さんは止める球、上げる球などいろんな引き出しを持っている。渋野さんは2パターンぐらいの印象です」(同前)
9月27日の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」の初日は、畑岡と同組となったが、渋野が5打差を付けられた。
「渋野も翌日は盛り返しただけに、自分にない技術を持つ畑岡が隣にいることが重圧になったのではないか。自分に足りないものが何か、自覚がしっかりとあるのでしょう。翌週の日本女子オープンの初日(10月3日)も同組でしたが、今度は畑岡と同スコア。ライバルに刺激を受けて進化している」(前出・ツアー関係者)
シーズンは残り少ないが、課題を克服して、底抜けの笑顔で賞金女王の座を射止めることができるか。
※週刊ポスト2019年10月18・25日号