国内

皇居お散歩歴史探検 「最後の秘境」の謎を解く

皇居に江戸時代から残る天守台

 10月22日午後1時、天皇陛下が即位を国内外に宣明する「即位礼正殿の儀」が、皇居・宮殿で最も格式の高い「松の間」で執り行なわれる。徳川家康が江戸幕府を開いた1603年から400有余年。明治から江戸城一帯に位置した現在の皇居は、東京の中心でありながら、まだ誰も知らない歴史が詰まった宝庫でもある。

 歴史探訪家の竹内正浩氏が語る。

「明治維新後、江戸城がそのまま現在の姿に変わったと考えている人がいるかもしれませんが、実際は違います。むしろ明治天皇が江戸城に入城された後、宮城と呼ばれてからの変貌こそ、すさまじいものでした」

 たとえば二の丸周辺は、明治半ばから昭和までの約80年間、馬場や厩舎として使われ、馬車を修理する作業場があった。北の丸周辺は、終戦まで軍用地だったという。

「明治以降も皇居は政治の権力や権威の中心であり、その源泉であり続けてきました。現在も歴史が更新され続け、今も残る建築物や遺構は、決して過去の遺産ではありません。

 皇居は興味深い歴史に満ちた、唯一無二の場所です。同時に、都心では奇跡といっていいほどの自然にあふれているのです」

 以下、天皇・皇后両陛下がお暮らしになる「最後の秘境」10か所を紹介しよう。

【天守台】

 江戸城本丸の北に位置する天守台。東西約41m、南北約45m、高さ11m。明暦の大火(1657年)により天守が焼け落ち、翌年に加賀藩前田家により新しく築かれたが、一度も上に天守が建てられていない。

*大嘗祭当日(11月14、15日)まで立入制限。

【大手門】

東京駅からも近い大手門

 旧江戸城の正門として使用された、枡形形式の城門。江戸在府の大名や旗本が江戸城を訪問する総登城の際、10万石以上の大名は大手門から出入りした。平成27(2015)年に修復工事を行ない、白亜の美しい姿を取り戻している。

【富士見櫓】

高さを残す富士見櫓

 明暦の大火で焼失した櫓を、万治2(1659)年に再建。将軍が富士山や両国の花火、品川の海を眺めたこともあったとされる。近年、広場や案内板が整備され、間近に鑑賞できるようになった。

関連記事

トピックス

逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
マッチングアプリぼったくり。押収されたトランプやメニュー表など。2025年5月15日、東京都渋谷区(時事通信フォト)
《あまりに悪質》障害者向けマッチングアプリを悪用した組織的ぼったくりの手口、女性がターゲットをお店に誘い出し…高齢者を狙い撃ちする風俗業者も
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下の「慰霊の旅」に同行された愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、皇室とご自身の将来との間で板挟み「皇室と距離ができればこうした仕打ちがある」という前例になった眞子さんの結婚 将来の選択肢を“せばめようとする外圧”も 
女性セブン
“じゃないほう”だった男の挑戦はまだまだ続く
「いつか紅白で『白い雲のように』を歌いたい」元猿岩石・森脇和成が語る有吉弘行との「最近の関係性」
NEWSポストセブン
「ピットブル」による咬傷事故が相次いでいる(左・米軍住宅参考画像)
《沖縄で相次ぐピットブル事件》「チェーンを噛みちぎって引きずった痕も…」自治体が狂犬病の予防接種すら把握できない“特殊事情”「米軍関係者の飼い犬だった」 
NEWSポストセブン
白鵬の活動を支えるスポンサー企業は多いと思われたが…
白鵬「世界相撲グランドスラム」構想でトヨタ以外の巨大スポンサー離反の危機か? “白鵬杯”スポンサー筆頭格SANKYOは「会見報道を見て知った。寝耳に水です」
週刊ポスト
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルの飛行機でスヤスヤ》佳子さまの“寝顔動画”が拡散…「エコノミークラス」に乗った切実な事情
NEWSポストセブン
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落事故》「ボタンが反応しない」「エアコンが起動しない」…“機内映像”で捉えられていた“異変”【乗客1名除く241名死亡】
NEWSポストセブン
ロスで暴動が広がっている(FreedomNews.TvのYouTubeより)
《大谷翔平の壁画前でデモ隊が暴徒化》 “危険すぎる通院”で危ぶまれる「真美子さんと娘の健康」、父の日を前に夫婦が迎えた「LAでの受難」
NEWSポストセブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン