ビジネス

丸亀製麺、ブランド刷新で重視した「原点回帰」の戦略

トリドールホールディングスの創業者・粟田貴也社長

 戦国時代にある外食産業の中で、手づくり・できたてのうどんを廉価で提供するコンセプトで存在感を示す「丸亀製麺」。展開するトリドールホールディングスの創業者・粟田貴也社長(57)に、激しい業界のサバイバル術を訊いた。

──平成元年(1989年)当時はどんなビジネスをしていたのですか?

粟田:1985年、加古川市(兵庫県)で焼鳥居酒屋「トリドール三番館」を創業し、1989年は2号店を出した頃でした。当時は「小さな店を3軒ぐらい持てたら」ぐらいに考えていた。「丸亀製麺」の構想はまったくなかったですね。

「丸亀製麺」が動き出したのは2000年。私の親父は香川県の出身なのですが、帰省した際、黎明期の“讃岐うどんブーム”をこの目で見たんです。県の内外から車でたくさんのお客様が来られて、小さな製麺所に長蛇の列を作っていた。

「これや!」と思って、製麺所とセルフうどんを融合させたのが「丸亀製麺」です。2000年11月に1号店をオープンしました。

──なぜ「丸亀製麺」はここまでブレイクできた?

粟田:僕なりに讃岐うどんのブームを分析すると、「手づくり・できたての美味しいうどん」も魅力的ですが、「はるばる出かけていって食べる」というイベント感が受けているのだと感じました。最近の言葉でいうと「コト消費」ですね。

「丸亀製麺」は、店内製麺でできたてのうどんが手軽に食べられるという新鮮さを提供できたことがよかったのだと思います。以降、こうしたらお客様は喜ぶ、反応する、お店に来ていただける。だからこうするんだと常に考えるようになりました。

 お客様は感動したら人に伝えてくれはります。「あんなおもろい店があるよ」と。口コミで伝わると、さらにお客様が来てくださる。トリドール創業期はそれがわからず試行錯誤で苦労しましたけど、「丸亀製麺」をやり始めてから、何か商売の本質みたいなものがわかって開眼した気がします。

関連キーワード

関連記事

トピックス

復興状況を視察されるため、石川県をご訪問(2025年5月18日、撮影/JMPA)
《初の被災地ご訪問》天皇皇后両陛下を見て育った愛子さまが受け継がれた「被災地に心を寄せ続ける」  上皇ご夫妻から続く“膝をつきながら励ます姿”
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン
武蔵野陵を参拝された佳子さま(2025年5月、東京・八王子市。撮影/JMPA)
《ブラジルご訪問を前に》佳子さまが武蔵野陵をグレードレスでご参拝 「旅立ち」や「節目」に寄り添ってきた一着をお召しに 
NEWSポストセブン
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
オンラインカジノの件で書類送検されたオコエ瑠偉(左/時事通信フォト)と増田大輝
《巨人オンラインカジノ問題》オコエ瑠偉は二軍転落で増田大輝は一軍帯同…巨人OB広岡達朗氏は憤り「厳しい処分にしてもらいたかった。チーム事情など関係ない」
週刊ポスト
1990年代にグラビアアイドルとしてデビューし、タレント・山田まりや(事務所提供)
《山田まりやが明かした夫との別居》「息子のために、パパとママがお互い前向きでいられるように…」模索し続ける「新しい家族の形」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
前田亜季と2歳年上の姉・前田愛
《日曜劇場『キャスター』出演》不惑を迎える“元チャイドル”前田亜季が姉・前田愛と「会う度にケンカ」の不仲だった過去
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
NEWSポストセブン