テレビや雑誌では、「名医がいる病院」「いいクリニックの見分け方」などの情報であふれている。確かに、腕がいい医師がいて最新機器がそろった病院を選べば、質の高い医療を受けることができる。しかし、その治療内容が、根本的に違えば元も子もない。
例えば、手足の感覚がなくなったり、鈍くなったりする場合も、原因やかかるべき診療科はさまざまだ。総合診療医で亀谷診療所院長の亀谷学さんはこう指摘する。
「上肢のしびれや痛みは、頸部の病気や、脊髄症、鎖骨・肋骨・胸などの筋肉に神経や血管が挟まれて発症する『胸郭出口症候群』などのことが多い。首に近い部位の肺がんのために手がしびれることもある。整形外科、神経内科や総合診療科などにかかるのがいいでしょう」
ただし「例外もある」と言うのは医療ジャーナリストの鳥集徹(とりだまり・とおる)さんだ。
「60代女性で楽器を弾くかたが、手の関節が腫れて悩んでいた。演奏のせいかもしれないということで整形外科に通ったのですが、なかなか治らない。さすがにおかしいということで血液検査をした結果、ようやく関節リウマチだとわかったケースがありました。
関節が腫れるので整形外科で診ることが多かったのですが、現在は薬物療法が進歩して内科的治療が中心となっています。朝、指がこわばる、左右対称に関節が腫れるなどの症状があれば、リウマチ・膠原病内科で診てもらうことをおすすめします」
女性は40、50代でリウマチにかかる確率がぐんと上がるというデータもある。他人事と思わず、可能性の1つとして気に留めておきたい。
また、特に恐ろしいのが脳の中の「できもの」が原因のしびれだ。