新聞やニュース番組でよく見聞きする言葉。街中で目にする看板の文字。ふだん、あまり深く考えずにわかったつもりでいることが多いかもしれない。でも、しかし、そこには明確な“違い”があるのだ。
◆台風の「大きい」と「強い」の違い
9月上旬、千葉県内に大規模な被害をもたらした台風15号。長期停電やその復旧プロセスなど、今後の大きな課題が山積みとなったことはいうまでもない。
そして10月12日に伊豆半島に上陸した台風19号は75人が死亡、13人が行方不明(10月16日現在)という甚大な被害をもたらした。
台風接近時にニュースで耳にする、「大きい」台風と「強い」台風。コレ、混同している人も多いようだが意味合いは全く違う。気象庁に聞いてみた。
「『大きい』台風というのは最大風速が15km以上の風が吹く強風域の範囲によります。半径500km以上800km未満に達するもの。それらを『大きい』『大型』の台風といっています。
一方、『強さ』というのは台風の中心付近の最大風速に段階をもうけ、そこで『強い』『弱い』と区分けします。例えば15号の場合、風の吹いている範囲が狭い『小さい』台風でしたが、風は『強い』台風でした。時には『大きい』台風でも風があまり強まらないこともあります」(気象庁・お天気相談室)
◆『天気』と『天候』
新海誠監督の最新作『天気の子』(全国東宝系で公開中)が、公開75日間で観客動員1000万人、興行収入133億円を突破。前作『君の名は。』に続く大ヒット記録を更新中だ。さて、「天気」といえば、「天候」との違いはあるのだろうか?
「『天気』は気温や湿度、風、雲量など気象に関する要素の大気の状態をさします。一方の『天候』は、天気より長い時間の概念で使う言葉。5日~1か月程度の平均的な天気の状態を表す時に使います」(前出・気象庁・お天気相談室)
つまり、「今日のお天気は」とは言うが、「先月のお天気は」とは言わず、「先月の天候は」と言うのが正しい。
※女性セブン2019年10月31日号