今回は今までにない試練かもしれない。木村拓哉が主演するドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)の初回放送の裏番組が、高視聴率が確実視される強力番組ばかりなのだ。しかも、放送開始時間が遅れる可能性も出てきて…。キムタクドラマ、どうなる? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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20日夜、「今秋最大の話題作」と言われる『グランメゾン東京』(TBS系、21時~22時19分)がいよいよスタートします。
同作は、依然として「視聴率男」と言われ続ける木村拓哉さんが主演を務めるほか、共演に鈴木京香さん、及川光博さん、沢村一樹さんら主演級がズラリ。スタッフにも、『半沢直樹』『ノーサイド・ゲーム』らを手がけた伊與田英徳プロデューサー、『アンナチュラル』『中学聖日記』らを手がけた塚原あゆ子監督らTBSのエースがそろっています。
さらに、パリの三ツ星レストラン「ランブロワジー」で世界初のドラマ撮影を行うなど、ミシュランガイドが全面協力。また、山下達郎さんが2003年の『GOOD LUCK!!』以来16年ぶりに木村拓哉さん主演ドラマの主題歌を担当し、作品の世界観に合う「RECIPE」を書き下ろすなど、時間と予算を割いた力作です。
しかし、1話が放送される20日には、『グランメゾン東京』と木村拓哉さんに3つの試練が待っていました。
◆民放各局の包囲網とラグビー日本戦
1つ目の試練は、民放各局の強力な特番。
まず日本テレビは、19時58分から21時54分まで、『世界の果てまでイッテQ!秋の2時間SP』を放送。出川女子会、内村光良のカレンダープロジェクト、イモトワールドツアーなどのファミリー層に強い看板企画をそろえました。
次にテレビ朝日は、21時から23時5分まで、通算21作目となる2時間ドラマの人気シリーズ『おかしな刑事』を放送。同作は17年間に渡って平均視聴率2桁を記録するなど、メインターゲットの中高年層をガッチリつかんでいます。
フジテレビも20時から21時54分まで、12回目となる人気シリーズ『世界法廷ミステリー』を放送。直近の放送である今年6月15日も視聴率10.9%を記録するなど、ミステリーフリークを中心に根強い支持を集めています。
いずれも、あるターゲット層にめっぽう強い番組だけに、「木村拓哉さん主演の新作ドラマでも苦戦するだろう」と言われているのです。
2つ目の試練は、19時10分~21時50分にNHKで放送される『ラグビーワールドカップ2019 準々決勝・日本vs南アフリカ』。大会前は、「日本が準々決勝に進めるとしたら、プールAを2位通過だろう」と言われていたものの、はじまってみたら世界ランク2位のアイルランドを破るなど4連勝で1位通過。2位通過なら準々決勝の日本戦放送は19日でしたが、快進撃によって20日となり、『グランメゾン東京』の1話放送と重なったのです。
ちなみに、一週間前の13日に放送された日本vsスコットランドは、39.2%の超高視聴率を記録。準々決勝から「負けたら終わり」で緊張感が増すトーナメント戦に突入するほか、前回大会で「ブライトンの奇跡」と呼ばれた優勝候補・南アフリカとの再戦とあって、同等以上の視聴率が予想されています。
通常、木村拓哉さんほどの大物が出演する新作ドラマは、「とりあえず1話は見てみよう」「1話を見て今後見るかどうかを決めよう」という試し見があるものですが、今回ばかりはリアルタイムで見てもらうのが至難の技なのです。
◆主演連ドラ「初の1桁視聴率」の危機