ふだん、新聞やニュースでよく見聞きする犯罪用語。何となく使っているかもしれないが、細かく意味が違うのだ。たとえば、性犯罪に関する言葉も、似ているようで、意味が違うのだ。
◆「わいせつ行為」と「みだらな行為」
オンラインゲームで知り合った小学6年生の男児へのわいせつ行為により、強制性交、児童ポルノ法違反容疑(製造)で逮捕、起訴されたのは、香川県在住のシングルマザー(23才)。
起訴状によれば、女性は昨年末、自宅に呼びよせた男児に胸を吸わせ、スマートフォンで写真や動画を撮影し、保存。今年1月には性交渉に及んだ。高松地裁は9月4日、女性に懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。
「東京ディフェンダー法律事務所」の弁護士・公認不正検査士の久保有希子さんが、違いを説明する。
「『わいせつな行為』とは、性欲を刺激、興奮または満足させ、かつ、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義概念に反する行為とされています。特に強制わいせつ罪の『わいせつな行為』とは、キスや乳房を弄ぶ行為、裸にして写真を撮る行為などが該当します。
一方、『みだらな行為』は主に地方自治体が定める青少年保護育成条例(いわゆる淫行条例)の中に出てくる表現です。
最高裁は、淫行条例における淫行の意味について『青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいう』と、判断していますが、条例は地方自治体によって異なるため、処罰される行為も自治体によって違います」
※女性セブン2019年10月31日号