1990年代後半、「学級崩壊」が大きな社会問題として取り上げられたが、それから20年余り経った今、子供ではなく教師や保護者が原因の「学校崩壊」が起きている。
神戸市の市立東須磨小学校で、4人の教諭が20代の男性教諭に暴行を加えた事件。テレビから流れる壮絶な動画に思わず目を背けた人も多かったはずだ。
教育の現場にいったい何が──。教職員間のいじめの実態から、“閉ざされた聖域”の内情を追った。東海地方の中学校で教鞭をとったA子さんは、予想外の出来事がベテラン教諭の逆鱗に触れた。
「担任を持った年の5月に妊娠がわかったんです。学校では中途半端な時期の産休が嫌がられ、“クラスを持ったら計画的に妊娠しろ”との暗黙のルールがある。それを破ったことに激怒したのが同じ学年を受け持つ40代の女性主任でした」
女性主任は学年集会の際、「生徒を立たせているのに自分は座るのですか」とA子さんの着席を許さなかった。さらに、旅先の土産をA子さんだけに渡さないなど、陰湿なマタハラ行為が続いた。
「他の先生たちも“ルールを破ったのが悪い”とばかりに助けてくれない。生まれてくる子供のために環境を変えようと2学期半ばに退職しました。
送別会で主任が『今までお疲れさま』と妊娠中の私にウーロンハイを手渡したときは、さすがに言葉を失いました」
※週刊ポスト2019年11月1日号