一騎打ちは競馬の醍醐味だがそうそう固くはおさまらないのはファンならよく知るところ。競馬ライター・東田和美氏が秋の天皇賞について考察した。
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アーモンドアイ、サートゥルナーリアというロードカナロア産駒2頭に人気が集まっているが、このレースで同じ種牡馬産駒のワンツーは平成以降5回。うち4回はサンデーサイレンス、あと1回はディープインパクト産駒だ。この2頭は他のGⅠでもワンツーを決めたことが何度かあるし、ディープ産駒は今年だけで天皇賞(春)、オークス、ダービー、菊花賞と4回もワンツーを達成している。
サンデーサイレンス系ではダンスインザダーク産駒やステイゴールド産駒のワンツーもあった。サンデー系以外ではブライアンズタイム産駒のワンツーも複数回あるが、キングカメハメハ産駒のGⅠでのワンツーは、2015年朝日杯フューチュリティSのリオンディーズとエアスピネルだけ。古馬GⅠでは一度もない。キングカメハメハ産駒はこのレース2勝でその時の2着馬はともにディープインパクト産駒。2着3着には1回も来ていない。
今回は「社台グループの運動会」というより「ノーザンファームの運動会」。2強を含む7頭のGⅠ馬など10頭が出走する。過去7勝2着5回3着8回。一方、社台ファームの生産馬は4勝だが、2着馬はノーザンファームより多い9回で連対数も上回っている。ノーザンファーム、社台ファームともにワンツーは1回しかないが、社台グループのワンツーは9回もある。
GⅠの中では堅い決着が多い方だが、1、2番人気で収まったのは5回。このときの馬連はいずれも3桁だが、それ以外は1000円以上ついている。1番人気は9勝2着6回、2番人気は4勝2着6回、3番人気は5勝しているものの2着がなく、むしろ4番人気が9連対、5番人気が8連対している。
牝馬は4勝2着4回3着3回。ワンツー決着は言わずと知れた2008年のウオッカ、ダイワスカーレット。ただ1回きりだから語り継がれる。
3歳馬の挑戦は31頭で2勝2着4回3着3回。4歳馬は155頭中14勝2着13回3着13回、5歳馬は157頭12勝2着11回3着11回(2000年以前は現在の馬齢で集計)。3歳馬は勝率ではともかく連対率、複勝率ともに4歳馬、5歳馬を上回るがワンツーはない。4歳馬同士のワンツーは7回、5歳馬同士が5回ある。