今季5年ぶりのリーグ優勝を果たしたものの、日本シリーズで4連敗した読売ジャイアンツ。ソフトバンクとの差は歴然としていた。
両リーグで首位打者を獲得し、今年も137試合にスタメン出場した内川聖一、2013年に首位打者、最多安打のタイトルに輝いた長谷川勇也、昨年まで7年連続で規定打席に到達していた中村晃などが控えに回ることもあったソフトバンクの層の厚さに比べ、巨人はシーズンで2割3分9厘しか打てなかった2年目の若林晃弘をスタメンで使わざるを得ないほどだった。野球担当記者が話す。
「FAで丸佳浩や炭谷銀仁朗を獲得するなどの大型補強で優勝できたと考える人もいますが、今季の巨人の選手層は決して厚くなかった。野手陣も投手陣も、原辰徳監督が上手くやり繰りして何とか優勝にこぎ着けた印象です」(以下同)
移籍組で今季の戦力となったのは丸と炭谷くらいだった。メジャーで3度2ケタ勝利を挙げた岩隈久志は1軍登板なし。過去打率3割台を6度記録している中島宏之も今季は不振に陥った。昨季メジャーで20発を放ったクリスチャン・ビヤヌエバも期待はずれに終わった。
「昨季、打率2割8分5厘で、チーム2位の本塁打、打点を記録していたケーシー・マギーを切ってまで獲得したビヤヌエバは2割2分3厘、8本塁打、24打点で8月中旬以降、1軍出場なし。クライマックスシリーズ、日本シリーズでも出番がありませんでした。
日本シリーズでは、山本泰寛や若林晃弘が守備でのミスもあり内野陣の手薄さを露呈した。マギーがいれば、昨年より成績が落ちたとしても、少なくともビヤヌエバ以上は活躍したでしょうし、日本シリーズでもベテランの持ち味で力になってくれたと思いますよ。若手を勇気づけたり、同じ外国人選手を叱ったりできるリーダーシップもあり、目に見えない貢献度も高かった。球団はマギーとの契約を解除する時、高齢も1つの理由にしていましたが、成績を残しているにもかかわらず、年齢で判断するやり方は解せません」